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賃貸業者の利益は仲介手数料だけではない|お部屋探しをする人が知っておくべき広告宣伝費(AD)について

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不動産の賃貸営業は借り手からの家賃1ヶ月分の仲介手数料が主な収益となる。家賃が3万円の物件もあれば100万円のリッチな豪邸もあり、思わず自分の担当がいくら儲かるのかを計算してしまったこともあるかと思います。

 

中には「こんなに安い物件で申し訳ないな」と罪悪感を感じてしまう心優しい方もいるかもしれません。ですが、たとえ家賃の安い物件でもしっかり不動産屋は儲けているのです。

 

 

そこで今回は、世の中の不動産の賃貸営業達は一体どのようにして儲けをだしているのかをご紹介していこうと思います。これからご紹介する儲けのカラクリを知ったら今後の見る目が変わるかもしれません。それでは早速見ていきましょう。

 

不動産営業のお仕事とは

 

不動産営業のお仕事は、書類業務を除けば至ってシンプルです。お客さんである物件を探している人から問い合わせを受け、希望に叶う物件をネットワークから選定、紹介して一緒に内覧へ出向き、希望とマッチングすれば契約、引き渡し。もちろん、契約書類作成といった事務作業や、オーナーあるいは相手方不動産業者との調整等、借り手からは見えないお仕事も多くこなしています。

 

又、宅地建物取引士と呼ばれる不動産業務に特化した国家資格もあり、資格を持つ宅建士は契約時に重要事項説明書の読み合わせを行う権利を国から与えられます。

 

一見すると「読み合わせなんて誰でもできるのでは」と思われるかもしれませんが、そこは不動産という一つの資産を動かすお仕事なので、肝心な契約の際はしっかりとした知識と権限を持つ人間が対応する仕組みになっています。ちなみに、不動産業に興味がある場合は、コチラの記事⇒【不動産会社の作り方を徹底解説】で詳しく不動産会社の作り方についてご説明致しております。よろしければ是非参考にどうぞ。

 

 

不動産営業の収益は仲介手数料だけではない

 

皆さんは契約時に火災保険料の斡旋や、水道トラブル等のライフライントラブルのサポート会社の加入を求められたことはありませんか?実はこれらはほぼ確実に業者間でキックバックが発生していて、成約した金額の何割かを不動産業者が受け取っています。

 

そしてコンプライアンスの緩い業者に関しては鍵交換費を徴収しても、実際のところはやっておらず、費用だけを受け取って利益にしていた事例もありました。

 

当然、今現在ほぼの方が利用している「家賃保証会社」も例にもれず、キックバックの関係性にあります。借り手にとっては連帯保証人が不要になり、オーナーとしては家賃の回収不備が無くなる為、非常に需要のある仕組みですが、不動産業者にとってもしっかりメリットがあるわけですね。

 

つまり、不動産業者としてはオーナーから物件を預かって、集客をする所謂「管理会社(元請け業者)」が一番美味しいポジションになるわけです。

 

となると、借り手を紹介した客付け業者は仲介手数料しか儲からないことになるのですが、実はそうではありません。一般には公開されていない、むしろ元請け業者よりも儲かる仕組みが業界にはしっかりあるのです。

 

お部屋探しをする人が知っておくべき広告宣伝費(AD)とは

 

先ほど触れた客付け業者(仲介会社)が儲かる仕組みこそ、実は今回最もお伝えしたい内容なのです。皆さんはADという言葉を聞いたことはありますでしょうか?恐らくあまり馴染みのない言葉かと思います。

 

ADとは「広告宣伝費」とも言われ、オーナーが客付け業者に対して支払う報酬のようなものであり、長いこと借り手が付かない物件や新築で早く部屋を埋めたい場合等に利用されることが多いです。

 

つまり、客付け業者は広告宣伝費(AD)の付いている物件を紹介すると通常1ヶ月分の手数料しか受け取れないところ、半月分~3か月分の収益を上げることができ、一つの物件で自分の月収を超える数字を叩き出すことができるわけですね。

 

又、スーモやアットホームで「仲介手数料無料キャンペーン」といった宣伝をしている物件もADで十分元を取ることができています。慈善事業で奉仕している業者など一社たりともないと断言できます。

 

過去に引っ越しを検討して不動産業者から紹介を受けた際、そこまで条件の良くない物件を強く勧められた経験がある方は少なからずいらっしゃるかと思いますが、そこに罠があります。

 

「新築だからお勧めですよ」「この物件は長く借り手が付いていないので、安くなりました」こういったセールストークでADの付いた物件に誘導するのが営業の腕の見せ所なのですから。その裏では、頭の中の電卓を叩いて躍起になっている営業の裏の顔があるのです。

 

残念ながら、ADが付いているかどうかは一般に開示されていません。確認できない上に、ADに関しての質問は基本的に答えてもらえません。しかし、もちろん彼らも商売ですし、この物件は嫌だと言えば当然引っ込めてくれますので、不愉快な方ははっきりと意思を示すことをお勧め致します。

 

不動産屋で働くならフルコミッション営業

ここまでは不動産業者が「会社として」儲かる仕組みを紹介してきましたが、「営業個人として」儲ける仕組みもあります。それがフルコミッション営業というもの。

 

通常は会社に所属し、会社員として固定給と成約率に応じたインセンティブを受け取りますが、フルコミッションは不動産業者と業務委託契約を結び、個人事業主として業者の名前だけを使って活動します。

 

通常の会社員は固定給があるので、インセンティブは微々たるものになり、月収は25万~30万円に収まります。もちろんやり手の営業であれば月収100万円を稼ぐことも可能ですが、1000人に1人程度の感覚です。

 

ですが、フルコミッションになると固定給が無くなる分インセンティブの割合が跳ね上がり、低くて60%、最高で90%が営業の収入になるのです。例を挙げると、ひと月12万円でAD200%の物件を仲介すると、消費税を抜いた手数料は36万円となり、約32万円が営業の手取りになります。

 

少額の5万円の物件でも4万5千円の収入になるので、単発の利益と考えれば中々良い金額ではないでしょうか。又、売買案件であれば平均3000万円が相場になりますので、100万円を一度に稼ぎ出すことも十分可能です。

 

そして業務委託という性質上、本業を別に持ちながら活動できるのもメリットの一つで、副業として活動している営業も世の中には多く存在します。魅力を感じた方は、ノウハウを身につけてフルコミッションで副業を始めてみるのもいいかもしれませんね。

 

もちろん雇用形態が違うからと言って仕事の内容が変わることはなく、むしろ会社員としてセールスをしている人物よりも、フルコミッションの営業の方が丁寧で能動的に物件を探してくれる印象が強いです。近々引っ越しを検討なさっている方は、SNSやHPで宣伝をしているフルコミッション営業を探して問い合わせてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

江戸時代から続く不動産ビジネスは、時代の変化とともに大きく発展し、あらゆる新しい仕組みを考えだし利益を出しています。賃貸の初期費用をクレジット払いにするだけではなく、毎月の賃料に上乗せして、利息を取りつつ負担を軽減したり、近年では賃貸契約をZOOMを介して執り行う「IT重説」がスタートし、ITと不動産の融合も始まっていたりなど、コストや時間的な手間を削り、より顧客満足度を高めるようなチャレンジがなされています。

 

今回皆様にご紹介したのは、そんな発展を続ける不動産業界の古くからある裏側。一般には公開されない仕組みによって、不動産ビジネスは成り立ち、循環していることをご紹介させて頂きました。この記事を通して、これからお引越しをなさる方の予備知識に加えて頂ければ大変嬉しく思います。