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出版社の作り方と本を流通させる方法まとめ|出版社を始めるのに必要な申請とISBNコードについて

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出版社を創設するというのは、本を作ることに情熱を持つ人や、自分のメッセージを世に伝えたい人にとって素晴らしい挑戦かもしれません。しかし、出版社を創設するには、ただ本を作るだけでは不十分です。出版社は特定商取引法に基づく届出が必要な業種であり、また、出版物にはISBNコードという国際的な識別番号を付与することが求められます。

 

 

では、具体的にどのような申請が必要なのでしょうか?またISBNコードとはそもそも何なのか?そこで今回は、出版社を創設するために必要な申請について、またISBNコードの取得方法などについてまとめてご紹介します。さっそく見て行きましょう。

 

出版社とは

 

日本の出版社の数について正確な統計はありませんが、一般社団法人日本書籍出版協会に加盟している出版社は約400社となっています。そもそも、出版社とは、本や雑誌などの出版物を企画・制作・販売する事業者のことです。出版社にはさまざまな種類がありますが、一般的に出版社の仕事内容は以下のようなものになります。

 

編集:

出版物の内容や品質に責任を持ち、作家やライター、デザイナーなどと協力して原稿や誌面を作ります。企画や校正、印刷会社とのやりとりなども行います。

 

営業:

出版物の流通や販売を担当し、取次会社や書店との交渉や契約を行います。また、雑誌に掲載する広告主を探したり、イベントやフェアを企画したりもします。

 

広告宣伝:

出版物の宣伝や広告を担当し、メディアやSNSなどでPR活動を行います。また、書評家やブロガーなどに出版物を紹介してもらったり、読者キャンペーンなどを実施したりもします。

 

管理:

出版社の経営や運営に関する業務を担当し、総務や経理、人事などの部門があります。出版物の著作権や契約の管理も重要な仕事です。

 

現在の出版業界の状況は、紙媒体の販売低迷や電子媒体の台頭、若者の活字離れや再販売価格維持制度の問題など、様々な課題や問題点が指摘されています。しかし、出版社各社は新たなビジネスモデルの構築や事業の多角化などで対応しており、ここ数年の出版市場は前年と比べて数%ではありますがプラスとなりました。特に電子出版の売り上げは大きく伸びており、紙媒体と比べて大幅な増加を記録しています。

 

とは言っても、出版業界は競争が激しく、多くのリスクや課題があります。出版社を作るということは、大きな挑戦です。それにも負けずに自分の思い描く出版物を世に送り出したいと思う方はこのまま読み進めて下さい。

 

出版社を作ることは、自分だけでなく、多くの人に影響を与えることができます。作家やクリエイターに仕事の機会を提供したり、読者に知識や感動を与えたり、文化や社会に貢献したりできます。出版社を作ることは、自分の人生に意味や価値を与えることができます。出版社を作ることは決して簡単なことではありませんが、それだけにやりがいも大きいと思います。それでは、さっそく具体的な出版社の作り方を見て行きましょう。

 

 

出版社の作り方と必要な申請

 

出版社は一般的に法人として設立されますが、法人を設立するには、定款の作成や認証、登記申請などの手続きが必要です。これらの手続きは、出版社の存在や構成を公示し、法的な権利や義務を明確にするために行われます。ではここからは、出版社の設立に関する法的な手続きや申請について解説します。

 

 

法人登記

出版社を創業するには、まず法人登記を行う必要があります。法人登記とは、会社や団体の存在や構成を公示するために、法務局に届け出ることです。 法人登記を行うには、定款や役員名簿などの書類を作成し、印紙税を納付して法務局に提出します。法人登記の費用は、設立する法人の種類や資本金の額によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度です。法人登記に必要な書類や申請の流れは、以下のようになります。

 

1.まず、会社の概要を決めます。これには、本店所在地、商号、代表者名、資本金などが含まれます。

 

2.次に、法人用の実印を作成します。実印は、登記申請書や定款などに押印するために必要です。

 

3.その後、定款を作成し、認証を受けます。 定款とは、会社の運営に関するルールをまとめた書面です。定款は、公証人役場で認証を受ける必要があります(合同会社は認証不要です)。

 

4.次に、出資金(資本金)を払い込みます。出資金は、会社の運営資金として必要です 出資金の払い込みを証明する書類(預金通帳の写しや振込明細書など)が必要です。

 

5.最後に、登記申請書類を作成し、法務局で申請します。 登記申請書類には、登記申請書や定款の写し、印鑑証明書などが含まれます。 登記申請書類には収入印紙を貼付する必要があります。 収入印紙は登録免許税の納付方法の一つで、設立する法人の種類や資本金の額によって異なります。

 

※申請場所は、会社の本店所在地に応じて決まります。 本店所在地が属する法務局の管轄内の登記所で申請する必要があります。 例えば、本店所在地が東京都港区であれば、東京法務局港支局で申請します。

 

法人登記が完了したら、次に税務署に「法人設立届出書」を提出します。これは、法人として所得税や消費税などの税金を納めるために必要な手続きです。「法人設立届出書」は、法人設立の日から2か月以内に納税地の所轄税務署に提出します。また、消費税の新設法人に該当する場合(資本金が1,000万円以上など)は、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」も提出します。

 

出版物印刷許可

出版物印刷許可とは、文化庁が発行する許可証で、出版物を印刷する際に必要となるものです。出版物印刷許可を取得するには、「出版物印刷許可申請書」を文化庁に提出します。申請書には、出版社名や住所、代表者名などの基本情報や、印刷する出版物の種類や部数などの詳細情報を記入します。

 

申請書は、文化庁ホームページからダウンロードできます。申請書には収入印紙を貼付する必要があります。 収入印紙は、申請する出版物の種類や部数によって異なりますが、一般的には数百円から数千円程度です。申請場所は、文化庁文化芸術振興部文化芸術振興課です。申請書は郵送でも持参でも受け付けます。申請から許可までの期間は、通常2週間程度です。

 

出版物配給許可

出版物配給許可とは、文化庁が発行する許可証で、出版物を流通させる際に必要となるものです。出版物配給許可を取得するには、「出版物配給許可申請書」を文化庁に提出します。申請書には、「出版物印刷許可申請書」と同様の内容と、配給する地域や方法などの情報を記入します。

 

申請書は、文化庁ホームページからダウンロードできます。申請書には収入印紙を貼付する必要があります。 収入印紙は、申請する出版物の種類や部数によって異なりますが、一般的には数百円から数千円程度です。申請場所は、「出版物印刷許可」と同じく文化庁文化芸術振興部文化芸術振興課です。申請書は郵送でも持参でも受け付けます。 申請から許可までの期間は、通常2週間程度です。

 

※ちなみに、出版物印刷許可や出版物配給許可は、本一冊毎に申請するのではなく、出版社として一括で申請するものです。つまり、出版社が新たに出版する本ごとに申請する必要はありません。ただし、申請書には、印刷する出版物の種類や部数などの詳細情報を記入する必要があります。また、出版物の種類や内容が大きく変わる場合は、変更届を提出する必要があります。

 

本を作る為に必要な申請と許可

※画像引用元はコチラ(参考サイト:日本図書コード)

 

全国に流通する本を作るには、ISBNコード(国際標準図書番号)と書籍JANコードを取得する必要があります。

 

ISBNコードとは、出版物を識別するための番号で、出版社に付与されます。書籍JANコードとは、本のバーコードに使われる番号で、ISBNコードから生成されます。ISBNコードと書籍JANコードは、日本図書出版協会や日本書籍出版協会などの団体に申請して取得できます。詳しく見て行きましょう。

 

ISBNコードと書籍JANコードとは

出版社は出版物を販売する際に、ISBNコードと書籍JANコードを取得する必要があります。これらのコードは、出版物を識別するための番号で、日本図書出版協会や日本書籍出版協会などの団体に申請して取得できます。ISBNコード(国際標準図書番号)と書籍JANコードの取得に必要な申請の流れについては、以下のようになります。

 

まず、出版者として登録する必要があります。(出版者とは、出版物を企画・制作・販売する事業者のことで、法人だけでなく個人でも登録できます) 出版者登録をするには、出版者名や所在地、管理者情報などを記入した「出版者登録申請書」を日本図書コード管理センターに提出します。※申請書は、同センターのホームページからダウンロードできます。

 

次に、ISBNコードと書籍JANコードを取得します。ISBNコードとは、出版物を識別するための番号で、出版社に付与されます。書籍JANコードとは、本のバーコードに使われる番号で、ISBNコードから生成されます。 ISBNコードと書籍JANコードは、日本図書出版協会や日本書籍出版協会などの団体に申請して取得できます。 申請方法や料金は、申請先の団体によって異なりますが、一般的には以下の通りです。

 

・日本図書出版協会=Web上で入力し、申請料1個8,000円+税

・日本書籍出版協会=Web上で入力し、申請料10個20,000円+税

 

取得後、ISBNコードと書籍JANコードを本の裏表紙や奥付に記載しましょう。ISBNコードは13桁の数字で表されますが、ハイフンを入れて区切ることが推奨されています。書籍JANコードは13桁の数字で表されますが、バーコードとしても表示する必要があります。※ISBNコードや書籍JANコードは本一冊毎に取得する必要があります。

 

本を流通させる為に必要な申請と契約

※画像引用元はコチラ(日販)

 

本と会社が設立できたらいざ本を全国に流通させましょう。本を書店やネットで販売する場合は、取次業者や流通サービスとの契約が必要です。

 

取次業者とは、出版社から書店へ本を配送する仲介業者で、トーハンや日販などが有名です。 取次業者と契約することで、全国の書店へ本を流通させることができます。 流通サービスとは、ネット上で本の販売・配送・在庫管理などを行ってくれるサービスで、Amazonや楽天ブックスなどがあります。 流通サービスと契約することで、ネット上で本を販売することができます。

 

取次業者との契約方法

取次業者と契約することで、全国の書店へ本を流通させることができます。取次業者と契約するには、出版社として登録する必要があります。出版社登録が完了したら、取次業者に対して契約申し込みをします。

 

契約申し込みには、「取次契約申込書」や「取次委託販売契約書」などの書類が必要です。これらの書類は、取次業者のホームページからダウンロードできます。※契約申し込みには収入印紙を貼付する必要があります。収入印紙は、契約内容や金額によって異なりますが、一般的には数千円から数万円程度です。

 

契約申し込みが承認されたら、取次業者との間で配本や返品などの取引条件を決めます。(新規の契約はほとんど条件指定されます)取引条件には、「配本率」や「返品率」、「売上報告期間」、「支払い期間」などが含まれます。

 

ちなみに、配本率とは、出版社が印刷した本のうち、取次業者が仕入れる割合のことです。返品率とは、取次業者が仕入れた本のうち、書店から返品される割合のことです。 売上報告期間とは、取次業者が出版社に対して売上や在庫などの情報を報告する期間のことです。支払い期間とは、取次業者が出版社に対して代金を支払う期間のことです。

 

取引条件が決まったら、出版社は取次業者に対して「見本出し」を行い、本を発送します。取次業者は本を仕分けし、各書店へ本を配送します。書店は本を販売し、売上や在庫などの情報を取次業者に報告します。取次業者は売上や在庫などの情報を集計し、出版社に報告します。出版社は売上や在庫などの情報を確認し、取次業者から代金を受け取ります。

 

以上が一番王道の出版流通の流れになります。簡単に説明してしまいましたが、その他にも多く本を流通させる方法は存在します。例えば、Amazonや楽天ブックスなどネット通販サイトなども多くの出版社が利用しています。中には独自の流通システムを構築している出版社も存在しています。出版社にとって本を流通させる事は大きな課題になります。出版社を創設する前に経営計画と十分な資金は準備しておきましょう。

 

 

まとめ

出版社がどのくらいの本を作るかは、出版する本のジャンルや内容、市場の需要などによって変わりますが、一般的な出版社で2000部、大規模な出版社で1万部程度でしょうか。本を作るには、原稿を書くだけでなく、編集や校正、デザインや印刷などの工程が必要です。本が完成してから発売されるまでには、早くて5ヵ月~半年、一般的には半年から1年ほどかかると言われています。取次を通せば売り上げが入ってくるのはさらに遅くなります。

 

そう考えると、出版社を創設することは、決して簡単なことではありません。出版業界は競争が激しく、多くのリスクや課題があります。しかし、出版社を創設することは、自分の夢やビジョンを実現するための大きなチャンスでもあります。出版社を創設したいと考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。