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修行経験必要なし「たこ焼き屋」開業の基礎知識|失敗しない為に必要な道具や設備まとめ

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繁盛してる店はどのようにして繁盛させているのか、また原価、人件費はたこ焼き1個にどんだけ含まれてるのか?たこ焼き屋で利益を得るにはどうすれば良いか?

 

 

今回は、そんなたこ焼きビジネスの疑問を全て解決したいと思います。たこ焼き屋で働いてみたい方、たこ焼き屋を開業しようとしてる方は是非ご覧ください。

 

修行経験なしでも「たこ焼き屋」の開業は可能

まず、私はたこ焼き屋で店長代理を務めておりました。たこ焼き屋と聞くと、お祭りの屋台を思い浮かべがちですが、実は店舗を持って営業しているたこ焼き屋も数多く存在しています。ただ基本的には屋台スタイルでの販売で、注文が入れば即座に商品の提供をしなければいけません。

 

飲食店で大事なものは「商品の質」「接客」「店の清潔感」です。この三つはすべて重要であり、ひとつでも疎かにすると売上は出せません。たこ焼き屋も同じです。

 

また、たこ焼き屋のたこ焼きはスーパーのたこ焼きや、冷凍のたこ焼きとは違い、常に熱いものを即座に提供できるように構えないといけません。これらのルールを守れればひとまずたこ焼き屋開業の第一関門はクリアです。

 

たこ焼き1個に対しての利益率と原価&人件費

私が勤めていたたこ焼き屋の定価は「6個入り300円」「8個入り400円」等が有りました。1個辺り50円です。

 

気になる原価ですが、棚卸の結果、原価は定価の40%、人件費は定価の25%でした。それ以上やそれ以下の結果になると、棚卸に誤差があります。

 

たこ焼き1個50円に対し、原価は20円・人権費は12円が含まれています。アルバイトを採用するなら、「4000円の売上=1時間」を売らないといけません。売上が伸びない店舗は終日一人営業です。売上が低い日はアルバイトを早上がりさせる等、人件費コントロールをしないといけません。

 

ちなみに、私が勤めていた店舗は平日約6万、祝日約8万売上を出しておりました。月間で総売上は約200万以上、人件費、光熱費、原価等を差し引いても、月に50万の利益です。それが30店舗以上ある為、総利益は非常に高いです。

 

たこ焼きビジネスで失敗する理由

簡単に利益が上げれそうですが、そんなに甘くないのがたこ焼きビジネスです。たこ焼きビジネス最大のロスは「廃棄」です。常時高温の鉄板の上に準備しているため、廃棄になるタイミングも早いです。

 

また、廃棄が増えれば増えるほど原価率は上がり、利益は上がりません。原価率を下げようと材料の質を下げると、商品の質が落ちるため、効率的ではありません。原価率を下げるには、廃棄を少なく、数多く販売することが鉄則です。

 

単純にお客さんが尽きなければ回転率は上がり、廃棄も少なくなります。ただそんなに甘くないのがたこ焼きビジネスです。行列店でない限り、必ず廃棄は出てしまいます。

 

じゃあ注文が入ってから売ればいいじゃん!と思うかもしれませんが、これは回転率が非常に下がります。さらに、たこ焼きは焼き上がりまで約15分はかかるので、焼けていないとお客様は待つのが嫌で離れていくことが多々あります。

 

つまり、たこ焼きビジネスの鉄則はいかにお客さんを常に集めるかに掛かっているのです。では、どうしたらいいのか?

 

売り上げを上げるたこ焼き屋がやっている集客方法

私が勤めていたたこ焼き屋は駅周辺に店を構えておりました。好立地でも通行人に見てもらえるように声出しは絶対です。アピールしないと売れません。これはたこ焼き屋だけではなく、商売の常識です。さらに、下記のような事を実践すればある程度の売上は見込めます。

 

A.知ってもらう

やはり商売をする上で最も重要なことは「知ってもらう」ことです。クオリティーの高い商品を準備していても店の存在、味を知って頂かないと販売はできません。通行人に積極的に、無作為に「いらっしゃいませ」を言い続ける、興味を引くことが第一歩です。また、音楽を流して雰囲気を出すと更によいでしょう。

 

B.個性を出す

店の存在を知ってもらえたら他店やライバル店と差をつけないと常連様にはなって頂けません。味で勝負する店が多くありますが、味で勝負となると、原価率が上がる、廃棄量が増えるなどのメリットがあり、厳しいものです。

 

なので、味での勝負は置いておいて、劇場体験型で集客を狙いましょう。例を上げると、調理中の動作にキレをつける・調理鉄板を見せる・スピードをあげる等を行い、調理を一種のパフォーマンスとして披露してみましょう。この方法は「ライブクッキング」という技法のひとつでもあり、屋台では非常に効果的な手段です。

 

C.ファンを増やす

個性を出し、お客様を呼べるようになったら次はファンを増やします。接客時に堅苦しいやり取りで対話を行うのではなく、「本日は冷えますね」など多少の雑談を入れる、常連様には「今日は何にします?」など一歩踏み入った会話をすると、お客様から「ありがとう」と言われやすくなります。

 

また、世間話を軽く話すとお客様は心を開いてくれます。それだけでなく、常連様がただ店前を通るだけで「頑張れ」と応援も頂けます。そうすることで、こちらが宣伝するだけでなく、お客様が知り合いにお勧めしてくれ、集客の効率化にもつながります。

 

D.日々の売上の統計を取り、ピークの時間帯を読む

常連様が増え、集客が成功しても、肝心の商品が準備できていないと、お客様の貴重な時間を奪ってしまいます。たこ焼き屋のピーク時間は立地によって異なりますが、おおよそは昼11時~13時半、夜は18時から20時半です。1年で売上の統計を取ると尚更ピークが読みやすくなります。

 

統計の取り方は「売却数」「1時間毎の時間帯売上」「材料の使用量」「天気や出来事」を毎日行うことです。この四つをデータにまとめると売上予想も計画できます。そして、仕込みの量も調整できます。また、そのデータを元に調理するたこ焼きの量の増減、アルバイトの時間帯調整などのフロアコントロールができるようになります。

 

E.調理方法を効率化

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ピーク時間を読んだら、準備が重要となります。ピーク時に商品を多く構えないと売れませんが、ただただ、大量のストックを用意するだけではいけません。

 

お客様は決まった時間に来るとは限りません。たくさん準備したが、品質の下がったたこ焼きとなる可能性があり、全て廃棄となるリスクがあります。

 

ではどのように準備すれば効率良く調理を行うか。答えは、一気に大量のたこ焼きを焼かず、時差でたこ焼きを焼くことです。鉄板が三枚程度しかなければ不可能に等しいですが、四枚以上鉄板を用意できれば可能です。

 

上記にも記載した通り、たこ焼きは調理に15分程時間を要します。15分を鉄板数枚使うのではなく1枚毎に時差を付けて調理します。例として、1枚目の鉄板を調理し、5分程の調理を終えた後、2枚目を調理開始、更に5分調理を終えた後、3枚目の調理を行います。

 

この方法はピークの度合いによりスパンを短くする、長くする等でストックの量を抑えることが可能です。それだけでなく、商品の品質を落とさず提供できます。

 

まとめ

以上のことが、たこ焼き屋が繁盛する秘策です。たこ焼き屋だけでなく、商売を始めるには「知ってもらう」「名前を売る」が最重要であり、基本です。このことを失敗すると集客は厳しいです。CMやチラシで宣伝するも良いですが、実際足を運んでもらえる方法を得ることが大事です。その次は他店と自店の違いをアピールし、リピーターを増やす。その上商品を最高の品質で提供する。このことを守れれば売上は上昇してきます。

 

たこ焼き屋を始めるなら、アルバイトで経験を得る等で調理方法を身につけ、繁盛している店を見学することが重要です。誰でも簡単に始められますが、たこ焼きビジネスは意外とハイリスクだったりします。