パチンコやスロットをやったことがある方なら誰もが一度は考えた事がある疑問。「パチスロ店はどのくらい利益を出しているのだろうか?」平気で一万、二万を吸い込んでいくパチンコやスロットですが、実際店舗はどのくらい儲けているのでしょうか?
そこで今回は、店舗の売上、原価、固定費等を実際に働いてみてわかった事を基に説明致します。実際の月間利益についても詳しく説明致しますので、どうぞご覧ください。
パチンコと公営ギャンブルの違い
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まず、パチンコ・スロットと聞くと誰しもギャンブルと連想しますが、厳密に言えばギャンブルではありません。俗に言うギャンブルとは、競馬・競輪・オートレース・ボートレース等の国が認めた競技が公営ギャンブルと定義されています。
では公営ギャンブルとパチンコ・スロットの違いとはなんでしょうか?
簡単に言うと、その場で換金できるかできないかです。競馬などの競技は勝つであろうと予想して投票形式で行い、当たった場合のみ報酬がその場で支払われるといった内容です。
パチンコ・スロットはどうでしょう。出た玉やメダルをその場で換金する事は可能でしょうか?既にやった事がある方であればご存知でしょうが、無理ですよね。パチンコ・スロットは出た玉やメダルを計数しレシートやカードに変えて交換所(店内カウンターとも言う)にもっていき、好きな景品と取り替える事ができます。
その景品の中に、業界用語で言う特殊景品という金(きん)・銀があります。その金を店外にある換金所に持って行くとお金に換えてくれるといった内容になっております。
勿論店内カウンターにて金に必ず換える必要はありません、好きな景品(例えば、お菓子や家電等)と取り替える事もできます。それは客側の自由です。客側が得た玉やメダル分を好きな景品に取り替えられるといった事で、競馬や競輪とはこの部分で異なります。
あくまで客側はお店から玉メダルをお金を使って借りてその借りた分で好きなように遊び、持っている玉メダルを景品に換えれるのが大前提です。
その為、よく『これは自分の玉だから!』等よく聞きますがあくまで玉メダルの所有権は店側にあり、それをどうするかの権利も店側にあります。それゆえに玉メダルの持ち帰りは厳禁となっております。※持ち出しの場合は窃盗罪にあたります。
パチンコ店は『3店方式』という方式で営業しております。『パチンコ店』⇔『景品問屋』⇔『換金所』この3店で成り立っております。景品問屋とは、特殊景品を店側と換金所に運ぶ役割です、店側は景品問屋にお金を払い特殊景品を買い、問屋は受け取ったお金を換金所に運びます。
つまり、この3店方式経営によって法的な意味では公営ギャンブルではない。とされているのです。パチンコ屋がグレーと言われる所以がこの経営方式となります。※ちなみに、この3店方式を破った場合は法令違反となりますので、営業停止処分又は剥奪されます。例えば、換金所から店側が直接景品を買う行為がこれにあたります。
三店方式について
ちなみに、この三店方式は、日本のパチンコ店で行われている営業形態で、パチンコ店・景品交換所・景品問屋の3つの業者、およびパチンコ遊技者が特殊景品を経由することで、違法性を問われない形でパチンコ玉の現金化が行われるものと言いましたが、しかし、この営業形態に対しては、賭博性を伴っているため、脱法行為と指摘する意見もあります。
三店方式の合法性については、裁判所や内閣の見解が分かれています。裁判所は、特殊景品は実質的に金銭と同等であるという実質的解釈論を採用せず、形式的解釈論に基づいて賭博罪の成立を否定する判断を示しています。これは、特殊景品そのものは金銭や有価証券ではなく、市場における販売価格が安価であることから、一時娯楽物の範囲内にとどまるという理由です。また、特殊景品を現金化するかどうかは客の自由な判断によって行われることから、法や施行規則が前提としているわけではないという理由もあります。
一方、内閣は、三店方式については必ずしも明らかでないとしつつも、パチンコ店営業者自身が賞品を買い取ることは風俗営業法違反と賭博罪成立の可能性があるという見解を示しています。また、三店方式における特殊景品の交換に対して消費税額を引いた金額を出すことは消費税法違反であるという見解もあります。以上のように、三店方式は合法なのか違法なのかについては、まだ明確な答えが出ていない状況です。今後の法改正や判例の動向に注目する必要があります。
パチンコ屋の利益率と売上について
パチンコ店は売上がほかの業種に比べて格段に多いです。やった事がある方なら分かると思いますが、売上は台に1万円入れれば1万円の売上です、ここは売上の話ですので出る出ないの話は一先ず置いておきます。
パチンコ店では最低条件として1000円を台に入れなければ遊戯できません、それ故一人あたりの最低売上は1000円という事になりますが、勿論何万何十万と使う方もおります。そういった方々から売上は成り立っております。
では、実際どれくらいの利益がは生まれるのか?
あまり詳しくは言えませんが、パチンコスロット合わせて台数が700台、開店時の客入りが大体150前後、ピーク時の人数が350前後、そのままズルズルと閉店1時間前で80前後程度。このぐらいですと、勿論稼動推移によって違いますが、大体一日の売り上げが1200万円ぐらいです。その中から色々分配して改めて利益が生まれます。
パチンコ屋の原価・粗利・利益について
パチンコ店の原価として大分類に分けますと、
- 会台原価(パチンコ台)
- 景品原価(出玉)
- 環境原価(宣伝費・人件費・固定費等)
この大分類3つに分けられます。
一番知りたい所は、②景品原価でしょうか?景品原価とは俗にいう出玉、出る・出ないの話です。やった事がある方なら勝った負けたの経験があるとは思いますが、じゃあ実際店側はどうなの?といった内容です。
パチンコ業界は「9割返し」と言われている事から、単純に売上比率の90%を景品として還元したのであれば10%が儲けとなります。
上記であげた店舗であれば1200万の10%で儲け額120万となります。勿論この90%還元も店それぞれなので70%還元であれば30%が店の儲けで、金額が360万となります。他の業種と違い売上比率の1%あたりの金額が群を抜いております。
これを粗利(粗利益)と呼んでおります。
勿論この儲け額の中から残りの原価を割り振っていくわけなので、実際の利益額はまた変わってきます。細かく言うとこの原価はいっぱいあるのですが、分かりやすい項目として1部ご説明致します。
まずパチンコ台ですが1台の平均金額として約40万~60万です。これを例えば1回の新台入替で10台購入=400万、この新台入替を3回行えば月間で30台購入となり1200万となります。台によって金額は異なるのと買う台数に変動があればこの数字も大きく変わってきます。
また、③の環境原価についてですが、この原価も機械台と同等近くかかる事もあります、中でも一番大きいのが家賃となりますが、郊外店ですと約1000万ぐらいです。都心部でしたら規模によって違いますが、億単位のお店もあります。電気代は月100万ぐらいです。
次いで人件費ですが、大きな店であればたくさんの人が働いています、ホールスタッフ意外にも清掃スタッフや警備スタッフ、食堂があれば食堂スタッフ。アルバイト以外にも社員がいて、店を経営する会社なので事務職メインで働く社員もおります。その諸々が大体1000万ぐらいでしょう。
次に宣伝費ですが、こちらも以外に費用が高額です。店内にあるポスターは勿論の事、新聞折込チラシやWEB広告等宣伝分野は多才でこの費用に関してはいくらでもかける事ができます。勿論あまりかけない事もできます。
この3つの原価を差し引いた金額が始めて利益となる訳ですので一概に大儲けしているとは言いがたいです。そのため実際に潰れるパチンコ店は多く存在致します。
また、原価としてもう一つ業界特有の物がございます。それが特殊景品です。特殊景品がなければパチンコ店は営業する事はできません。では何が原価にあたると言いますと、景品問屋に払う手数料です。
これも業者によって違いますが、売上分以上の特殊景品(金)を持っていないと、万が一10割以上出てしまった場合は対応ができないので、売上分以上購入する必要があるのです。例えば、売上1200万で1500万分の特殊景品購入、この手数料が5%だったら75万となります、これも粗利から差っぴいていくので利益金額は減っていきます。
まとめ
パチンコ店の儲けのカラクリは、一番はコストを下げて粗利を得るという事、どの業種でも一緒でしょう。コストを下げる一番簡単なのは台を買わない事が一番です。また玉を出さず80%で営業すれば多く利益を出すことができるでしょう。ですので、新台はあまり入れない、全体的に出ている感がないお店はコストをさげまっくているという事です。
もしパチンコ屋で勝ちたいのであれば、お客が多い店へ。お客が多いという事は沢山のお金をもっているので、出玉コントロールも90%が可能となり、新台もある程度購入でき利益をあげている事でしょう。
ちなみに、パチンコ店は多くの金が動いているので万が一1日でも休業した場合は多額のお金が無くなり経営困難に陥っても補填できません。なのでパチンコ店はこのご時勢でも全力営業しているのです。