裏話どっとこむ

裏話どっとこむでは、仕事に関する知識や経験談などを多数掲載しております。意外と知らないあの職業の裏側や給料事情。口コミサイトや求人票には載っていない「社員のリアルな口コミ情報」などを掲載致しております。 また本当に稼げる副業情報や独立開業に向けた有益情報なども掲載致しておりますので是非参考にしてみて下さい。

裏話どっとこむ

MENU

半導体不足の裏で大儲けする半導体商社の裏話|半導体不足でわかる日本企業の遅れとは

スポンサーリンク

f:id:ak6ark:20220128035542j:plain

 

半導体不足が度々話題となるが、半導体不足の裏で大儲けしている会社が存在している。その理由を知ると、なぜ半導体が不足するのか?いつまで半導体不足が続くのかがわかってくる。

 

 

それでは、さっそく半導体商社がどのように儲けているか、そもそも半導体とは何なのか?を詳しく見ていきましょう。

 

半導体とは

f:id:ak6ark:20220128035822j:plain

 

まず、半導体という言葉は定義的には集積回路(IC)などの物質や材料のことを指しますが、基本的には集積回路:IC(集積回路)を総称したものを「半導体」と呼んでいます。半導体の種類は100種類以上あり、集積回路(IC)などの物質や材料で言うと1メーカー併せておそらく約1000品目はくだらないでしょう。

 

この半導体は、情報の記憶、数値計算、論理演算、などの様々な情報処理機能を持っており、電子機器や装置の頭脳部分として中心的な役割を持っています。※二進法による情報処理。

 

半導体は電気製品のすべてに使われているわけではありません。簡単に言うと、半導体は高性能機器に使われています。例えば、扇風機で言うと、電源を入れて羽根が回るような単純な物には使われていません。変わって、羽根のない、風を自動で調整したりするものには半導体が使われます。

 

エアコンもただスイッチを押して強/弱があるようなものには使われていません。温度を快適に調整したり、人がいるところに集中的に風を送ったりするような高機能なものには使われています。もちろん、携帯電話・TV・パソコン・ゲーム機のような高機能な製品にも多く使われています。1つの機器に1個だけ使われているのではなく、1つの機器に何個も使われています。

 

半導体不足でわかる日本企業の遅れ

車で言えば、昔はほとんど半導体が使われていませんでしたが、最近のモデルにはキーレススイッチ、ナビ、オーディオ、さらには自動運転などの機能が付いた事によってほとんどの車に半導体が多く使用されています。つまり、世の中がデジタル化されていくに連れ、半導体の使用数はうなぎのぼりとなっているのです。

 

半導体の使用が増える一方、半導体の生産メーカーは限られています。技術的にも大手メーカー、それも世界的な規模のメーカーでしか作れないのが半導体です。その為、需要と供給のバランスが崩れ、生産納期が1年を超すものも出ているほど需要が爆発しているというわけです。

 

一昔前は、半導体なら「メイド・イン・ジャパン」と言われ、日本企業の独壇場でしたが、現在は台湾・中国・韓国メーカーが台頭しており、日本の時代は終わりました。実際、世界的に有名なサムスングループ(韓国)は利益の多くを半導体の生産で稼いでおりアジアで首位を獲得しています。

 

半導体商社の利益の出し方

そんな半導体をメーカーから卸して販売するのが半導体商社です。半導体商社の儲けのからくりはいくつもありますが、今回は至ってシンプルな「在庫販売」について触れていきたいと思います。

 

まず、半導体は前述しましたが、種類で言うと100種類以上、部品で言うと1メーカー併せておそらく約1000品目はくだらないでしょう。

 

そんな半導体には、売れ筋というものがあります。その売れ筋の商品をあらかじめ予測し、事前に注文して在庫にしておくのが半導体商社のやり方です。例えば1年後の需要を見越して、来年の11月納期で発注をする。タイミングが合えば需要がマックスの時に一気に販売でき利益を上げる事ができるというわけです。

 

これはある意味リスクではありますが、半導体を多く使う業界のトレンドを掴んでおくことで、リスク分散ができます。例えばアイフォンに使われている半導体を在庫にしたいので、来年の11月納期で発注をかけます。来年アイフォンが売れない、アップルが倒産というのは、誰がどう見ても想像できませんよね?

 

半導体不足の裏で大儲けする半導体商社

f:id:ak6ark:20220128040143j:plain

 

つまり、皆が欲しい時にメーカーに発注しても遅いというわけです。当然2-3か月待ちの状態になります。半導体不足と騒がれるのは当たり前の事なのです。ただ、前述したように、事前に発注を掛けていた会社は在庫を持っています。つまり、需要が高まった最高の状態で一番高く売れるという訳です。※さらに需要が増えると生産が追い付かない状態となります。

 

こんな話を聞くと、今後半導体業界に進出しようと考えている方もいるかもしれません。ですが、注意点があります。それは規模です。

 

例ですが、アイフォンの生産台数は1億台以上、1つの電話機に何個も違う半導体を使います。必要数はとんでもない数になります。半導体1個100円とした場合、100億円もお金が必要です。それを1年前に手配するとなると、小さい会社では対応できない凄い巨額のお金が動く市場なのです。

 

※半導体は利益が稼ぎにくい業界とは言われていますが、100円で1億個買って、105円で1年後に売ったとしたら、単純に5億円の利益になります。

 

半導体は人間以上に繊細で管理が大変

また、半導体には賞味期限があるのをご存知でしょうか?大体購入後1年間はメーカー保証があるのですが、温度湿度など使用条件だけでなく、保存条件も厳しく管理しなくてはなりません。寒くても暑くても行けません。物によっては冷蔵保管、エアコンルームでの保管が必要だったりします。また、商品によっては、真空パックされているものもあり、真空パック開封後24時間以内に使用しなければ、品質の保証をしません。といったものもあります。

 

その為、半導体商社は、半導体を在庫していますが、ただ倉庫に山積みしておいているわけではなく、基準をクリアした清潔な倉庫で保管する必要があります。賞味期限が切れてしまい品質保証がないとなると、だれも買ってくれません。そうならないように在庫の管理は徹底しているのです。もちろん高価なので、セキュリティも兼ね備えたしっかりした場所で管理します。

 

メイド・イン・ジャパンの復活

f:id:ak6ark:20220128040311j:plain

※画像引用元はコチラ

 

少し前の話ですが、1980年‐2000年頃までは電機メーカーといえば日本でした。ソニーやパナソニックなどが世界を席巻していました。しかし、日本が景気低迷、国内製造メーカーが多すぎる、機能のガラパゴス化などで迷走していた頃、安さを売りに韓国や中国メーカーが台頭してきて一気に形勢逆転されています。

 

実際、日本ではあまり見ることがありませんが、携帯電話生産台数の1位のメーカーは、ソ二ーでもアップルでもなく、韓国のサムスングループです。彼らは、日本市場ではサムスンという名前を使わず、ブランド名で売りに出しています。

 

中国製・韓国製は、安かろう悪かろうというイメージを日本人は未だに持っている為、日本ではあまり売れていませんが、しかし世界では相当売れています。アップルは高くて手が出ない。サムスンなら高性能で手ごろで買える。というユーザーが世界には多いのです。

 

しかし、そのサムスンの携帯電話に使われている部品の多くが日本製であることをご存知でしょうか?あまり聞き馴染みのないメーカー(村田製作所、他)ですが、業界的には有名で売上も1兆円を超す企業が日本にも存在します。

 

確かに、半導体に限らず、昨今中国系企業の台頭がすさまじいものになっています。一部では、すでに日系メーカーの品質価格のレベルはとうに超えている分野も多いですが、今後また「メイド・イン・ジャパン」を取り戻す時代が来ることを期待したいと思います。

 

まとめ

半導体商社は、巨額の資金を元手に半導体在庫を持ち、大手機器メーカーに供給をしています。半導体メーカー→半導体商社→電気製品メーカーという商流は既に出来上がっています。

 

今まで使うことを想定していなかったメーカーや分野で半導体が使われており、AI化、IOT化が進み、便利になっていくのと比例して半導体の使用量が増えてきています。確かに商社は中抜きという批判は付きまといますが、今後も、半導体商社という黒子のニーズはさらに高まっていくでしょう。

 

また、半導体の需要が高まっている現在はそれに応じて新たなニーズやサービスが発生しています。今後はそれに対応できない商社は淘汰されていくでしょう。無くてはならない存在で益々存在感を増すようになっていく分野・業界だと思います。