裏話どっとこむ

裏話どっとこむでは、仕事に関する知識や経験談などを多数掲載しております。意外と知らないあの職業の裏側や給料事情。口コミサイトや求人票には載っていない「社員のリアルな口コミ情報」などを掲載致しております。 また本当に稼げる副業情報や独立開業に向けた有益情報なども掲載致しておりますので是非参考にしてみて下さい。

裏話どっとこむ

MENU

美容室が儲かるメニューと仕組みを大暴露|美容室を独立開業する前に知っておきたい事前知識

スポンサーリンク

 

年間、美容室の約8割が廃業している。なかなか厳しい美容室業界だが、では売れている美容室や理容室がどのようにして利益を出しているのかを業界から怒らえない程度にお話しさせて頂きたいと思います。

 

 

約9年ほど美容室の経営に携わっている私が、この疑問についてわかっている範囲で語っていきますのでどうぞご覧ください。ではさっそく見て行きましょう。

 

理容室と美容室の違い

 

法律上では理容室(床屋)はカットや剃刀など容姿を整える業。美容室(パーマ屋)はパーマネントや髪結などで容姿を美しくする業と区別されています。※国家資格である免許も別々です。ユーザー目線からすると顔剃りの有無が1番の違いかと思います。

 

ちょっと前までは床屋はかっちりしたちょっと昔なイメージがありましたが、今はバーバーブームもあってかお洒落なメンズ理容室などもすごく増えてきました。また美容室は大型サロンが一時期は出店ラッシュでしたが今は個人が少人数で出店される美容室が多い傾向にあります。

 

美容室を独立開業する為に必要な知識

 

理容室と美容室は毎年全国に約10000店ほど出店され、約8000店ほど人知れず閉店しているのが現状です。そんな事ないだろうと思った方もいると思いますが、実際にはお店は同じところにあるけど、屋号が変わったり、オーナーが変わって運営を継続しています。

 

10年程前のデータを数字的に見てみると、大体100人のお客さんが20店舗に5人ずつぐらい行っていたので、なんとかバランスがとれていました。ですが、今はネットでの評価などがすごく影響され、人気のある店とそうでない店がはっきりしてきてしまいました。従って、現在では先程のべた100人が5店舗ほどに20人ずつぐらいで集中してしまっています。

 

もちろん残された15店舗は悲しい結果になります。そうすれば潰すオーナーもいますが、潰すにもお金がいるので、ほとんどが大手の美容室に売ったり、居抜きで他のオーナーに譲ります。そうすれば美容業界としては変動していますが、内部を知らない街の方からすれば、あそこにはずっと美容室があるなーと思います。全国的に起きている事なので、こういう事は今後独立をしようとしている美容師は知っておいた方がいい話です。

 

 

美容室の利益とは

ただ利益さえしっかりおさえれば美容室は儲かります。なぜかと言いますと、まずカットは材料費がかからずダイレクトに店の売上になります。カラー剤においては1本が約700円〜900円です。それをそれぞれの店のカラー料金に反映します。

 

私の店の場合、カラー代金は8000円の設定でカラー剤が700円なので、店の売上としては8000円−700円で7300円が純利益になります。パーマに関してはパーマ代金が13000円の設定でパーマの薬剤が1500円なので、13000円−1500円で11500円が純利益です。

 

またトリートメントはドル箱メニューで、原価コスト300円→施術料金3.000円となります。このように文字にして見て頂きますと儲けの利益がたくさんです。これだけ見ると簡単そうに見えますが、ここに人件費や家賃が絡んでくるので、後はどう考えるかです。

 

美容室のメニューの特徴

 

HPや予約サイトを見てもなんだこれ?ってメニューがたくさんありますよね?よく見かける仰々しいネーミングのメニューはほぼ普通のメニューの名前を変えているだけってことが多々ありますので、以下のメニューの特徴を参照してください。店舗ごとにオリジナルメニューもあると思いますが、ほとんどは以下のどれかに分類されます。

 

ヘアカラー

髪色を明るくする又は落ちつかせる。※トーンアップの作用としては毛髪のメラニン色素を分解(ブリーチ作用)した上で色素を反応させます。トーンダウンは一般的にあまりブリーチ反応をさせないような選定をし色素を反応させ明るさをコントロールさせます。

 

【注意点】

カラーの色素と髪に元々あるメラニン色素は別物です。よくある事例として、頭髪検査があるから黒染めしたけどまた明るくしたいから自分でブリーチしちゃった。というケース。これは基本的には黒染めしてないところが金髪になって、黒染めがしっかり入ってる部分がオレンジになるというなかなか厳しいパターンです。黒染めする場合にはしばらくカラーチェンジはしにくいことをご承知ください。

 

ヘアマニキュア

毛髪の表面に色素を吸着させます。内部への反応はほぼ無いので基本的にはノーダメージ。ただし明るくする作用はないので、白髪が気になる、ブリーチ毛に鮮やかに色を入れたい時に使用します。※ブローネなどでセルフでやるときは肌につきやすいのでご注意を。

 

パーマ系

①コールドパーマ:いわゆる普通のプラスチックのロッドで巻くパーマ

②コスメパーマ:化粧品に分類される薬剤を使ったコールドパーマ。通常のパーマ剤よりもマイルドな処方なのでダメージが気になる方向きです。

③デジタルパーマ:専用の加温式ロッドを使ったパーマ。パーマがかかりにくい方、大きくしっかりしたカールが欲しい方向き。中間から毛先にしっかりしてしたカールを出すのに適している。※ロッドが熱くなるので根本にはかけづらい。

④エアウェーブ:デジタルパーマ同様、専用の機械を使用したパーマ。ロッドを加温するわけではないのでデジタルパーマと比較し根本からかけやすい。ゴールドより持ちが良い。

 

ストレート系

①ストレートパーマ:ボリュームを落とす程度の効果。

②縮毛矯正:クセやうねりを取り真っ直ぐにするパーマ。かけた部分は半永久的に真っ直ぐになる。

③コスメストレート:プロセスは縮毛矯正同様。ダメージ毛向きでマイルドな処方。ペタっとしにくい。

 

トリートメント

①〇浴式トリートメント:〇の数だけ薬剤を使用するトリートメント。お店によって取り扱いが違うので、好きなトリートメントがある方はそのトリートメントとの取り扱い店か確認してから行きましょう。

②ヘッドスパ:髪と地肌に栄養を与えながら血行を促進する。抜け毛予防やリラクゼーション効果が期待出来る。

③酸熱トリートメント:主に一浴式の材を用いて、アイロンで仕上げるここ数年話題のメニュー。癖や広がりが落ちついたり、ツヤ感コシ感が期待できる。

 

美容室とディーラーの関係性

見えない敵が美容室にはいます。考え方次第ではものすごくいいパートナーですが、一歩ミスすれば敵になりえます。あいにく私の店では戦いまくったおかげで今ではいいパートナーですが…

 

そもそもディーラーとは、美容室に新しいシャンプー剤やらカラー剤を持ってくるメーカーの営業会社員の方です。このディーラーは必要な存在ですが、店に入れる薬剤の料金はここで決まります。つまり、いかにここで値段を抑えられるかが今後の経営に大きく影響します。

 

今うちに来ていただいているディーラーさんも、最初はカラー剤を一本850円と言われ、当時は知識が乏しいものでOKを出しそうになりましたが、こちらも勉強をしてアスリートの契約みたいに何年間はと言う話しで、何とか今の700円まで下げてもらいました。

 

ちなみにパーマ液は、最初は1本2800円の交渉でした。今の話しを見て頂いた通りこのちょっとの値段が、お客様が100名来て頂いたとしたら、1本×100名なので、相当に数字が変わるのですごく重要な事です。このあたりを結構適当にされているオーナーはよく見られますので注意が必要です。

 

美容師の内部事情と給料事情

 

美容室の売上の内部事情としては、やはり人件費です。私の店は二人でやっていますので、数字はしれていますが、以前の店はたくさん美容師がいたので大変でした。ただでさえ安い給料の業界なのに、安すぎたら辞めてしまいますし、高額を与え過ぎると店の売上が苦しい時は後悔します。

 

なので一緒にやる美容師には、現状の給料形態とこれからのいい未来を想像させ、悪く言えば「ダマして安月給」で納得してもらうしかありません。実際、この業界は30才までに9割ほどの美容師が辞めてしまいます。原因はほとんど給料の関係なので、単純に美容師として働く事はおススメしません。修行や経験として働くならいいですが、理想は早く独立する事です。

 

美容室の儲けのカラクリ

 

美容室は材料費がかからず、売り上げのほとんどがダイレクトに店の利益になると言いました。でも都内一等地の美容室と低価格の美容室ってやっぱり使用している薬剤からまず全然違うんでしょ?って思いますよね。でも実際はそんなに違わないんです。

 

昔は安かろう悪かろうって商材もありましたが現在は安くてもいい商品が沢山あります。またレベルは全体的に上がってきてますので、基本的には正規品であれば安心できます。

 

一般的に売上に対する材料費の比率は8~10パーセントと言われており、業界で10分1000円くらいの価格設定を基本に据えているケースが多いです。一等地の美容室だとそこに家賃分などが地方より少し乗っかってくるイメージです。

 

つまり一等地の有名美容室は、トレンドに強く、得意ジャンルなども含めしっかりブランディングされているという安心感が売りになっているという訳です。

 

では低価格を売りにしている美容室はやっていけるの?って気になった方もいらっしゃるかと思いますが、そこで登場するのが前述したドル箱メニューの「トリートメント」です。ちょっとリーズナブルな美容室に行くとトリートメントしませんか?って提案された事がありませんか?

 

もちろんお客様の髪を思ってというスタイリストがほとんどだと思います(思いたい)が、トリートメントが大体3000円前後。トリートメントは時間があまりかからず、ダメージのリスクもないいわば安牌なドル箱メニューなのです。リーズナブルな美容室に行ったはずなのにまあまあしちゃったなってケースもあるので、必要ないメニューは要らないとはっきり伝えましょう。

 

リピート率90%超! あの小さなお店が儲かり続ける理由

リピート率90%超! あの小さなお店が儲かり続ける理由

  • 作者:中谷 嘉孝
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
Amazon

 

まとめ

ネット上での美容師の仕事の評価はとても低いですが、美容師はやりがいがあります。ずっと勉強がついてきて奥が深いですし、なによりお客様に感謝されるとすごく嬉しいです。書きながらも当たり前のように数字や売上の事を言っていましたが、結局はお客様に愛される美容室になれば全て解決します。まずはお客様に愛される美容室を目指しましょう。またお客さんとして来店される場合は、必要ないメニューは要らないとはっきり伝える事が大切ですので、無駄なメニューには注意しましょう。