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事務機器・OA機器会社の儲けの仕組みと内部事情|事務機器業界への就職はおススメしない理由

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OA機器販売会社で”役員”を経験した私だからこそ知り得る、OA・事務機器業界の裏側を赤裸々にお伝えさせて頂きます。

 

事務機器業界はどのように利益を上げているのか?

事務機器の適正価格とは?

業界に就職は間違っているのか?

 

そこで今回は、事務機器・OA機器業界の儲けの仕組みから内部事情までを全て暴露したいと思います。

 

 

この記事を読めば、現在オフィス用品を購入・仕入れをしている企業様にとっても適正価格を知ることができますし、この業界に就職を考えている方にとってもとても参考になると思います。是非ご覧ください。

 

OA機器・事務機器業界とは

 

まず、OAとは「Office Automation(オフィスオートメーション)」の略で、OA機器会社は、主にコピー機やファックス機、シュレッダー、電話機など、オフィス環境に欠かせない作業を効率化する為に作られた機器やサービスを販売しています。

 

現在、インターネットの発展により、オフィス作業の効率化・自動化は不可欠となり、各企業に応じて必要な機器やサービスを提案しサポートするのがOA機器会社の務めとなっています。

 

しかし、昨今大手メーカーがシェアを獲得する為に、薄利多売で直接ユーザーに対してアプローチする様になり、地域のOA機器会社が厳しい立場に立たされています。

 

例えば、昔は古くから付き合いのある地域の事務機器屋さんにコピー用紙や複合機を任せていましたが、今はネットで安く買えてしまう世の中になり、全て自身でネット注文をする会社が増えてきました。

 

経営が厳しい会社にとっては少しでも安く仕入れたというのが本音で、殆どの会社が「Amazon」や「アスクル」で事務用品を購入しています。現在はメーカーが直接ユーザーにアプローチをすることで少しでも利益を生み出そうとしており、混沌とした状況が続いているのが現状です。では、そんな状況下でどの様にOA・事務機器販売会社は利益を出していっているのかを見てみましょう。

 

 

事務機器販売店の利益の出し方

 

これまで複合機がメイン商材であったOA機器販売会社ですが、前述した通り全く売れないどころか赤字になるケースも多々あります。2000年初旬から2010年頃までは複合機のコピー単価は、モノクロ@10円〜20円というのが当たり前の世界でしたが、現在は単価1円を切るのが当たり前です。

 

勿論、月で刷る枚数に応じて価格設定が多少変わりますが、今はどの規模の会社でも高くても1円台というのが基本です。OA機器販売店はこの毎月のコピー単価の約1~5%ほどがメーカーからのバックマージンとして入ってきます。※保守などを自社で行う場合はメーカーとの契約で変わります。

 

つまり、コピー単価がモノクロ1円で、月の印刷枚数が2000枚だった場合、2000枚×1円で2000円がメーカーの売上となり、その内の1~5%の20円〜50円が販売会社の利益となリます。

 

また、販売時の機械代の利益も販売会社に殆ど入りません。その理由としては、多くの企業は複合機を契約する際に5年〜6年のリース契約をします。販売代理店はリース契約した複合機をリース満了まで待たず2年ほど早めてリースを組み直す営業を掛けます。

 

その際の決まり文句は「今のリース契約よりも安くします」です。

 

つまり、月に15,000円で5年のリース契約した複合機があった場合、3年後には、「14,500円」で新しい最新の複合機と入れ替えましょうと営業をかけるわけです。

 

殆どの経営者は安くなるなら入れ替えを決断するのですが、実際は残っている2年分のリースを新しく契約する複合機に上乗せをして契約をしているので会社にとっては損なのです。

 

また販売代理店は、どこかしらの大手複合機メーカーと特約店契約を結び、販売台数に応じての報奨金がもらえる為、販売代理店も目先の利益を優先し、リースを早めで組み直してしまうというカラクリがあるのです。

 

しかし、当然これを続けていくと機械代で利益が出せなくなる時が来ます。それが正に今の時代なのです。

 

複合機の仕入れ金額は大手メーカーの商品で25枚機(1分で25枚モノクロコピーができる機械)が約50万円程度です。これが販売代理店にとっての原価となります。

 

5年リースで換算すると両率1.85ほどが平均的な数字なので、約9,250円/月が5年リースでの原価になります。今の複合機の相場は25枚機で10,000円〜12,000円なので、どれほど複合機で利益が取れないかお分かりでしょう。

 

今後の事務機器業界と内部事情

 

では、現在のOA機器の販売店は何で利益を出しているのでしょうか。それは、アプリサーバーやファイルサーバーなど、まだ利益が取れる商品を中心に営業しています。

 

会社にとってデータは命と言っても過言ではないほど大事なツールになります。現在、クラウドサーバーを使う企業が増えていますが、それでも地域の中小企業はハードのサーバーをオフィスに置いています。その理由としては、アナログな経営者が未だに多く存在しているからだと思います。

 

大事なデータを守る為に、月に数万かけても問題ないという経営者が多く存在している今だからこそサーバーでも100万円近くの利益が抜けるのです。サーバーの仕入れ自体は高くても20万円程度で国産のサーバーを購入できます。それを「データは大事にしないと取引先に迷惑をかけますよ」とある意味脅して何百万円で売る商売なのです。

 

勿論、他にも色んな商材やサービスを扱っていますが、OA機器の販売会社に一番の醍醐味は「通信管理のアウトソーシング」がメインです。つまり、何かあった時に直ぐに対応してもらえる便利屋さんがOA機器販売会社の役割と言っても過言ではありません。

 

しかし、昨今通信機器がどんどんシンプル化される中でいつまでこの役割に需要があるのかは分かりません。

 

もし、存在を必要としている経営者の方は機械にお金を出すのではなく、何かあった時の保険として月額契約すると販売代理店にとっては継続して事業をすることができ、長期に渡って通信環境のサポートを受けられるかもしれません。

 

事務機器の適正価格と仕入れ先

販売代理店の仕入れ先として、かなりの確率で「Amazon Business」から仕入れをして販売しているケースが多いです。「Amazon Business」自体、企業であれば誰でも登録ができるのですが、中小企業はそのことを知らずに事務機屋にオフィス用品を発注することが未だに多いです。

 

事務機屋はAmazonの仕入れの約20%乗っけて販売するのが当たり前です。安く仕入れるならネットの方が明らかに安いのです。また、面白いのが直でのメーカー仕入れよりも商品によってはAmazonの方が安いのです。個人も法人もAmazonで買う時代なのです。

 

事務機器業界への就職はおススメしない

この業界の営業職では、成果報酬型のインセンティブ契約も多く存在しており、商品を売る自身がある方は固定給ではなく、インセンティブ契約で就職活動をすることをお勧めします。この業界自体かなり参入障壁が低い業界となっており、ある程度売れるようになれば独立してお客さんを独占した方が間違いなく良いです。

 

また、エンジニアや工事職といった職種は会社にとって重宝されます。ある程度パソコンや通信に詳しい方は条件をしっかりと提示して納得のいく給与条件で就職することをお勧めします。ただ、これまでの内容をお読み頂いたらわかる通り、単純に事務機器業界への転職や就職はあまりおススメできません。

 

 

まとめ

OA・事務機業界はかなり厳しい状況に立たされています。自動化するツールが機械から簡素化され機械の必要性がなくなっている影響がかなり大きいです。どんな会社でも少なからず事務機器や事務用品を仕入れている会社があると思います。

 

厳しい状況であるからこそとんでもない金額で商品を販売してくる会社もあれば、厳しい価格の中で変わらず無償でサポートをしてくれる会社もあると思います。価格はネットを調べればある程度の金額感は把握することができますので、価格が適性かを調べることが大事です。

 

一方で、それ以上の目に見えない価値(通信のサポートなど)を提供しているのもこのOA機器販売会社です。今一度取引している金額が適正かを考えてみてください。もしかすると、利益が全くない中で事務機器の営業マンは何度も足を運んでいるかもしれません。

 

また、この業界に就職を考えている方は、良く考えてから就職して下さい。どの職種なのかを考えるのも大事です。営業であればコミュニケーション能力がなければまず続きません。一方で、エンジニアの方は現場での様々なトラブルに対応しなければいけませんので忍耐力が必要です。それでは、今回の記事が経営者の皆様と就職を考えている方々の参考になれば幸いです。ご覧頂きありがとうございました。