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大手家電量販店の販売戦略と儲けのカラクリ|家電量販店で働いてわかった事まとめ

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電化製品を購入する際、ほとんどの方が利用されるのが家電量販店ではないでしょうか。インターネットからでも家電製品が簡単に購入できる時代ですが、やはり購入する商品を一目確認し、さらには家電量販店の販売員の方から説明を受けて本当に納得できる商品であるのかを確認したい人も多くおられることでしょう。

 

 

ネットで気軽に買い物が出来る昨今ですが、では実店舗である家電量販店はどのように利益を上げているのでしょうか?今回は、そんな身近な存在である家電量販で実際に働いていみて分かった事、儲けのカラクリについてご紹介していきたいと思います。さっそく見て行きましょう。

 

家電量販店業界とは

※画像引用元はコチラ

 

家電量販店業界は、売り上げトップを誇るヤマダ電機を筆頭にエディオンやヨドバシカメラなど、誰もが名前を知る大手家電量販店が業界を牽引しています。これらの家電量販店について素人目に見る違いが分かりにくかと思いますが、企業ごとに戦略を持っており出店するお店の立地に違いがあります。

 

例えば、ヨドバシカメラやビッグカメラは主要な駅周辺に隣接する形でしかお店を出店しておらず、主なターゲット層はビジネスマンであり、人が集まりやすい主要ターミナル周辺を狙っています。

 

このような場所は集客目的の宣伝などを行わなくても人が集まる好立地であるため、賃料が高いのがデメリットとなりますが、それを回収できるだけの販売力がある企業だけが生き残ることができます。つまりヨドバシカメラやビッグカメラはその最前線で戦っている筆頭企業と言えます。

 

次に、一般家庭向けに商売を行うのがエディオンやヤマダ電機などになります。主要ターゲット層が重なっているため、街中を移動していても隣接するようにして店舗が並んでいる姿を目にする機会も多く、一方が新たに店舗を出店すればたちまちライバル店が近隣に出店するような流れとなっており、顧客の奪い合いが熾烈になっています。

 

家電量販店の価格競争

 

このような顧客の奪い合いが加速する背景から自社でお買い物をして欲しいと囲み込みを行う手段として用いられるのが「価格競争」になります。

 

家電量販店では、企業が変わっても同じメーカーの同じ商品が店頭に並んでいるのが当たり前の業界です。消費者とすれば同じ商品なら少しでも価格の安いところでお得に購入したいと思うのが消費者心理にあります。

 

大手家電量販店の中でも、特にヤマダ電機は他社との価格競争に最も力を入れている企業になります。私が勤務していた某企業では、「ヤマダ電機との相見積もりに対して対抗できますか?」とお客様から聞かれたときは正直なところ全く手が出せない金額だったことを覚えています。

 

ヤマダ電機がなぜそこまで破格の値引きを他の家電量販店では手出しできないレベルまで足をふみこめるのかは不明ですが、とにかく業界内から見てもヤマダ電機の価格競争の本気度は群を抜いており、その証拠として売上金額は大手家電量販店の中でも1位がヤマダ電機となっています。

 

家電量販店の利益の出し方

家電量販店のトップを牽引するヤマダ電機の売り上げ規模を見ると小国の国家予算にも匹敵するような金額を一つの企業だけで叩き出していることに驚きがありますが、実は売り上げ金額ほど実際に手元に残る経常利益が大きいかというとそうでもありません。

 

というのも、今の時代は店頭で電化製品を販売しただけで儲かる利益は1%から10%程度しかありません。消費者からすると数万円のお買い物をしているのだからそれなりの利益が出ているのでは?と思いますが、実は店頭で販売している商品単体ではほとんどと言って良いほど利益はありません。

 

利益があるとすれば新商品で発売ホヤホヤの商品が店頭価格のままで売れた時です。

 

新商品は売価に対して最大20%〜35%程度の利益になりますが、店頭価格通りの金額で購入してくれるお客様はまずいません。値引きを要求されることも日常茶飯事であり、新商品も時間が経つと値段が崩れていくことを消費者はすでに把握しているので販売されてすぐの商品を購入するお客様はほんの一握りと言えます。

 

家電量販店の戦略と儲けのカラクリ

 

では店頭で販売している主力である家電製品ではほとんど利益が出ていない状況で、どこで利益を出しているのかというと、大きく3つあります。さっそく見て行きましょう。

 

1つ目は主要メーカーによる達成リベートです。例えばパナソニックやシャープといった有名企業の名前を利用したキャンペーンを見たことはありませんか?パナソニックフェアを実施している週にたまたま店頭に足を運ぶとお店を上げてパナソニック商品を購入するとガラガラ抽選ができたり、粗品をもらえたりするなど恩恵を受けることができます。

 

実はそのフェアが開催されている裏では、各店舗でパナソニック商品をデジカメなら対象機種を5個以上販売すること、テレビなら10台以上販売することを条件に、達成に応じて報酬(リベート)が家電量販店に支払われる仕組みがあります。このリベートが家電量販店の売上利益とは別の利益の出し方の1つになります。

 

次に、インターネット回線の契約や携帯電話契約によるインセンティブです。家電量販店でフレッツ光やWiMAXなど通信回線の契約を結ぶことで回線によって1契約で1万円以上のインセンティブの利益が店舗に入る仕組みになっています。

 

一番インセンティブ金額が大きいのがフレッツ光になっており、家電量販店の販売員はできる限りフレッツ光に加入してもらえるように意識しながらお客様に紹介をしています。もちろん無理な契約はご法度なのでお客様の要望に合わせてドコモ光やソフトバンク光などに振り分けて説明をしています。

 

最後に、最近家電量販店で目にするリフォームです。これまで家電量販店では家電製品の販売で業績を伸ばしてきましたが、ネットの台頭もあり価格競争の激化で家電製品だけでは利益を上げることや企業を存続することが難しい時代になりました。

 

そこで新たにリフォーム業界と手を組むことで、太陽光パネルの水晶やエネファームなど電気とリフォームをうまく活用して他業種であったリフォーム分野で新たに利益を生み出す術を見出しました。

 

今後の家電量販店業界

家電量販店ですが、私が入社した2010年代はまだ家電製品とインターネット回線の契約だけで利益を出せていたのですが、ネットの台頭などもあり売り上げは年々厳しくなり店頭販売員のノルマは厳しくなる一方でした。

 

またノルマは増えてもお客様の来店頻度は低下、売り上げを叩き出すのは非常に難しく店舗内でも従業員同士が売り上げの取り合いとなっており関係はギクシャクしたものでした。人間関係も非常に険悪であり、裏では人の客を取った取らないの言い争いも目にしたことがあります。

 

最近では、ネットで購入することを当初から決めて来店をされるお客様も増えており、店頭はいわば展示場のような格好となっています。説明だけ聞いてあとはスマホ片手に店頭にいながらにして注文ボタンを押すお客様も目にします。それもどうかと思うのですが販売員としてはネットに負けている現状を肌でひしひしと感じており今後もネットととの戦いが続くことを覚悟している状況です。

 

まとめ

家電量販店ではお客様の目からわからない儲けのカラクリがあったり、販売員同士の売り上げノルマに対する小競り合いがあるなど、なかなかシビアな世界が広がっています。

 

ただ、販売員としてはやはり来店してもらったお客様に満足して商品を購入してもらいたいという気持ちが根底にありますので、競争の激化する時代ですが一番無くしてはいけない顧客第一という気持ちを常に持ってこれからも店頭でお客様をお迎えしなければいけないと感じます。

 

数ある家電量販店からどの店で購入するのか?またネットで購入するのかは消費者が選択権を持っているのであくまでも消費者は自分たちの主観で判断してもらえれば良いと思います。