皆さんは葬儀屋さんが円満の笑みで働いている姿を見た事がありますか?無いですよね。
ただ、そんな葬儀屋さんですが、本当は心の中で笑っている時があります。では、それは一体どんな時なのか?
今回は、あまり知られていない葬儀業界のアレコレについてご紹介したいと思います。
葬儀屋は人の死が収入に繋がる
葬儀屋は、故人を手厚くお見送りするお手伝いをして、その対価として報酬を頂いている。主な仕事内容は、ご遺体の管理、お通夜の手配、お葬式開場の手配から準備、葬儀の段取り、送迎などと、葬儀に関する一連の業務を行う。
そのため、「人の死」があってこそ成り立つ業種と言える。なので、葬儀屋は当たり前の様に「誰かが亡くなった時、その死に自分の出番が無いのか?」を一番に気にしている。もちろん、それは誰かの葬儀の最中でも同じである。むしろ、大きな会場を使って貰える家族さんとの出会いは、葬儀屋にとってはこの上ないチャンスとなるのです。
葬儀屋さんが儲かる理由
まず、葬儀の際、単純に大きな会場を使って頂くと葬儀屋に入るバックマネーも大きくなります。これは冠婚葬祭どちらでもそうですが、大きい会場の方が利用料金は高い設定となっています。つまり、開場費だけでもそれなりに儲けを上げられるのです。
さらには、沢山の方が出入るする事になると飲食物からお花やお供物に至るまで、その葬儀屋さんで来場者が購入する物が多くなります。つまり、ここでも金銭が発生し利益が上げられるようになっているのです。
元葬儀屋が暴露する裏話
人の死は、予測できない事が多いものです。なので葬儀場の利用率がとても高い日や、逆に全く利用されない日もあります。忙しい時は、葬儀が終わり次第どんどん帰って頂いて次の準備をするのですが、実はここにも儲けのカラクリが隠されています。
実は、葬儀場のお花などを使い回してる事があります。許せない話だと思いますが、本当です。花や飲食物に至るまで、もちろんバレないように、次の会場で使い回しています。簡単に説明すると、午前と午後に2家族が葬儀を予定したいた場合、午前中に使った花などを午後に使っているという事です。
例:3万円のお花を2家族が購入、1つの花を午前と午後で使い回す→6万の収入-原価。午前と午後で支払われる料金に変動はないので、もちろん使い回した方が利益を上げられるのです。
教えてないのに葬儀屋から営業が来る理由
既に胸が痛いですが、葬儀屋の儲けのカラクリはまだ続きます。上記で、「大きな会場を使って貰える家族さんとの出会いはチャンス」と言いましたが、そのチャンスの意味をご紹介したいと思います。
まず、葬儀屋というのはほとんどが「月額会費制」である事がほとんどです。若い方はあまりピンとこないかもしれませんが、つまりは、葬儀を行う資金を葬儀屋に毎月少しずつ積立ているのです。
これが、大きな利益を産んでいます。その為、この会員を集めるのが、葬儀屋の最大のミッションとなります。※月額会費制の詳しい仕組みなどの紹介は避けますが、簡単に言うと、保険屋と同じ仕組みになります。
これは冠婚葬祭どちらでも言える事ですが、来場の際、名簿に名前や住所の記入を求められますよね。これ、立派な”見込み客リスト”になります。葬儀屋はこの名簿を見ながら電話や訪問で「月額会員」の営業をしていきます。これが「規模の大きな葬儀になればなる程、彼等が笑みになる」一番の理由です。
結局は葬儀もビジネスですので、営業する事で歩合給が発生するのです。そのため、葬儀屋さんが一番「アテ」にしているのは、こういう”大きな会場を使って貰える家族さん”なのです。
葬儀屋の営業を避ける方法
葬儀屋の営業で一番言われる言葉は、「もう来ないで下さい」です。私が働いていた当時、男性の上司は訪問先でよく言われていました。男性のスタッフが一番に玄関を空けると入れて貰えない事が多いので、パート主婦などのスタッフを連れて営業に回っていました。もちろん断られる事はありますが…
では、このようなしつこい電話や、自宅訪問を避けるにはどうしたらいいか。対処方法は簡単です。葬儀に出席した際、名簿に住所を最後まで書かない事です。番地や建物の名前までしっかりと書く必要はないのです。
※但し巡回営業には効果なしです。巡回営業はランダムな地域で行われているため、対処方法は「もう来ないで下さい」しかありません。
また、電話営業が不快な場合は、その番号を一時的にでも拒否設定にしておけば効果的です。電話営業担当のパートスタッフが、拒否になっていた番号にはちゃんと目印を付けながらリストアップをしているので、拒否解除をしても次回からはかかってこない可能性が高いです。
そもそも電話営業を避けたい場合は、やはり名簿に電話番号を最後まで正確に書かない事です。これにつきます。
葬儀屋さんの平均月収と給料事情
では、この葬儀屋さんというお仕事、お給料はいくらなのか?気になる人も多いと思いますが、正直な話、低賃金です。もちろん、地域性や会社にもよりますが、だいたいブラックと呼ばれるような会社である事が多いです。
例えば、人の死は24時間365日無休なので、夜間の泊まり勤務をして電話対応をする事もあるのですが、それは1夜勤○○円ではなく、月給金額に含まれている事がほとんどです。
その月給とは高給なのか?というと、全くそんな事はありません。基本的に、○○会など、その会社の商品に入会する人が1人いたら▲▲円の歩合が加算される仕組みなので、基本給の設定金額は生活保護で支給される金額以下です。
もう想像がつく方もいると思いますが、いくら夜間や休日に葬儀が入り忙しく対応しても、入会してくれる人を見つけられない場合は1円にもならないのです。
葬儀屋で働くなら「自爆営業」はやめとけ
営業職をしていると必ずぶち当たるのが「ノルマの壁」です。このノルマを達成できない月が続くと、こう言われます。「親兄弟や親戚を入れろ。身内で固めろ」ちなみに入職後すぐに自分自身は入会しているパターンが多く、この場面で求められるのは自分以外の家族に入会させて本数をあげろという事です。
なので葬儀屋さんで働いている人がいる家族は、おそくその会社の商品をなんらかの形で購入している(入会)事と思います。
葬儀屋さんのサービスは必要なのか
では、葬儀屋さんが営業にきても、そのての商品には絶対入らない方がいいのか?というと、それは違います。冠婚葬祭どちらにも言えますが、”いざという時”に頼りになり、次に何をしたらいいのか?を教えてくれる人がいるのはとても助かります。
そんなの自分でやればいい。と思う方もいるでしょう。しかし、こういった時の知識や経験がある方がどれほどいるでしょうか。冷静に物事を考えられない状態の中でも、こういった葬儀社が入る事で、やらなければならない連絡や手配を全て代行して貰え、来客対応や葬儀プランの相談はもちろん、葬儀委員長の代行までしてくれたりと、至れり尽くせりなのです。
金銭的な部分に対しても、例えば月会費2400円を12回以上支払い終わっていれば、数百万する葬儀の内容をそのまま使える事もあります。場合によっては、香典と今まで支払ってきた月会費でおつりが来る様な出費ですむ場合もあるのです。
葬儀屋さんへのお礼の言葉
若いうちは全く想像がつかないものですが、年齢と共にこの逃れられない「死」という存在を身近に感じていくものです。それは自分の親兄弟かもしれませんし、いつ自分自身に降りかかるかも解りません。そんなまさかの時の為に、普段からシュミレーションしておくなんて出来ていないのは普通だと思います。
その為、彼等のように、その「まさかの事態」に対応出来るプロの存在は必要なのです。仕事と呼ばれ、そこに金銭が発生している限りボランティアではありません。彼等にも生活があり、家族という守べき存在がいる以上、それは変えられない現実、立派なビジネスなのです。
それに実は、葬儀屋さんが一番言われる言葉は「もう来ないで下さい」だと言いましたが、葬儀屋さんの利用者さんからよく聞く言葉は正反対の言葉です。
「もっと早くに入っておけばよかった」その事態が想定外であればあるほどに、現場は慌てて動き出し、中心とならなければならない人は疲れ切ってしまいます。それは事前に何の準備も出来ていなかった。という事が原因の大部分です。
少しでいいので、万が一の時に備える事が出来ていたなら、大切な時を厳かに進める事が可能なのです。そうした考えを持つ事ができれば、いざという時に不要なトラブルや出費を避け、人の死に向き合える時間ができるはずです。
まとめ
散々裏話を書いてしまいましたが、葬儀屋さんは必要な存在です。でも自分や自分の家族に起こる不幸を金銭的に利用されるのはちょっと・・・そう思いますよね?なら、自分も利用すればいいのです。
自分が何故、葬儀屋さんにお金を払うのか?何が得られるのか?妥当と感じられるのか?その内容に一度でいいので向き合って見て下さい。そして出た答えを、葬儀屋さんに話して見ましょう。あなたの年齢、家族構成、金銭的問題など、総合して考えた時に、今必要な事なのか?いつまでに準備を始めたらいいのか?きっと答えを導いてくれるはずです。
そして、答えが出たら是非、大切な家族と一緒に向き合って見て下さい。その時間は、きっと今後かけがえのない時間になるハズです。