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人材派遣会社の差益と紹介手数料について|人材派遣で働くという選択肢はありかなしか?

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多種多様な働き方がある時代。人それぞれ働き方があるが「派遣」という働き方をご存じでしょうか?派遣という言葉くらい知っている。派遣で働いていた。という方々も多いでしょう。

 

では具体的に派遣とは何か。派遣会社はどのように利益を上げているのか?上手く説明できますか?

 

なぜアルバイトや社員じゃなくて派遣なのか?実はそこに派遣会社が教えたくない儲かるカラクリがあるのです。

 

 

それでは、今回は派遣会社の儲けのカラクリと人材派遣で働くという選択肢についてご紹介していこうと思います。さっそく見ていきましょう。

 

人材派遣とは

 

簡潔に表現すると雇用元と勤務先が同じかどうかです。例えばアルバイトの場合、Aというカフェで働く場合、雇用元はAカフェ(もしくはカフェを運営している法人)となり、勤務先はAカフェとなります。しかし派遣の場合、あくまで雇用元は派遣会社となり、勤務先は派遣会社から紹介された会社となります。その為、給与の支払い元がアルバイトと派遣で異なります。

 

アルバイトの場合、当然支払元は勤め先であるAカフェとなります。派遣の場合、どこで働こうが支払い元は所属している派遣会社になります。ここが人材派遣とその他の勤務形態の1番の違いであり、利益・儲けのカラクリが潜でいるポイントととも言えます。ちなみに、人材派遣業に興味がある場合は、コチラの記事⇒【人材派遣業の始め方と必要な資格について】で詳しく人材派遣会社の作り方についてご説明致しております。よろしければ是非参考にどうぞ。

 

 

人材派遣会社の利益の出し方

派遣会社はどのようのに利益をだしているのでしょうか。主に2つの柱があります。「一般派遣労働」と「紹介予定派遣」です。順番に説明していきましょう。

 

派遣会社の利益「差益」とは

まず、一般派遣労働。これはシンプルに皆さんが思っている派遣というイメージそのものの働き方に近いかもしれません。派遣会社に紹介された会社で働き派遣会社から給料を貰う。このスタイルが一般派遣労働です。この働き方で派遣会社はどこで利益を出しているのでしょうか。

 

一言で言うと、「差益」です。自社の派遣スタッフを他社に貸し出すからには当然「利用料」なるものが発生し、それを派遣先の会社へ請求するのが一般的です。

 

つまり派遣社員の時給が1,000円としたら派遣先企業にはそれ以上の金額を請求します。ちなみに私が過去に在籍していた人材会社では派遣スタッフの時給が1,050円に対して1時間2,200円を派遣先企業へ請求していました。派遣スタッフが働き続ければ寝ていても利益が入るスキームです。実にうらやましい商売です。

 

派遣会社の利益「紹介手数料」とは

そして二つ目が、紹介予定派遣。これは派遣スタッフを紹介するものの、ゆくゆくは派遣先企業の従業員として受け入れてね、といった契約です。

 

もちろん必ず直接雇用に切り替える契約ということではありません。あくまで派遣スタッフとしての就業をお試し期間とし、お互いに良ければ雇用を結びましょうねといったイメージです。ともしれば自社の派遣スタッフではなくなるので、派遣会社としては旨味がないように感じますが、実は全くそんなことはありません。

 

派遣スタッフから直接雇用に切り替わる場合、派遣会社は「手数料」を派遣先企業に請求します。ただでは転ばないあたりが商売人の鑑とも言えます。

 

紹介料というのはおおよそ派遣業界で相場があり、想定年収の20~40%ほどが手数料とされています。職種や、切替後の役職の有無で年収に開きがある為、ハイスペック人材に関しては手数料がかなり高額になる傾向があります。

 

今後の派遣業界はどうなるのか

 

利益の出し方をみると実にウハウハな業界に見えますが実は案外そうでもないのが実情です。まず派遣スタッフを受け入れる側ですが、そもそもなぜ一般スタッフの時給よりも高い時間給を支払ってまで派遣スタッフを使うのでしょうか?答えは簡単です。人不足だからです。

 

さらに派遣スタッフを使い続ける会社に多く見られるパターンがあり、それは人事がうまく機能していないパターンです。要するに自分たちで人を集めるスキルが無いから派遣会社を頼るという構図です。じゃあ派遣会社の未来は明るいじゃないかと思ったそこのあなた!どちらかというと未来は暗いです。

 

世界で比較した場合、日本にどれだけの派遣会社があるかご存知でしょうか。先進国の中で比較的派遣会社の事業所が多いのがイギリスでその数が約1万社といわれています。

 

一方で日本は約3万社です。実はコレ、異常な数字と言えます。求人倍率、つまり人材が欲しいと思っている企業に対して派遣の事業所が多すぎるのです。

 

これはつまりどういう事かというと、人材不足で嘆いている企業側の方が派遣会社を選べる立場にあるということです。A派遣会社が気に入らなければB派遣会社。それでもダメならC、D・・・こうなると各派遣会社が競わざる得なくなるのが派遣料金です。

 

そうなるとそのしわ寄せがどこに行くかというと、当然末端で働いている派遣スタッフに支払う賃金も当然安くなる。

 

皆さんは「派遣」というものにどういうイメージを持っているでしょうか?あなたの彼氏が派遣スタッフだったらどうですか?前向きに結婚を考えますか?あなたの娘が30歳過ぎてもまだ派遣スタッフだったらどう思いますか?

 

残念ながら日本における派遣のイメージはお世辞にもいいとは言えません。定職に就けない人、ましては年齢が高くなるにつれてますます肩身は狭くなる一方です。もちろんすべてがそうではないですが…

 

ちなみに、イメージのお話をしますと、アメリカでは派遣というのは超高給取りのイメージがあるそうです。超実力主義のアメリカでは派遣というのはハイスペックなスキルを持った人々が選ぶ雇用形態という傾向があります。

 

例えば弁護士や凄腕プログラマー等、そういった人達はわざわざ定職に就いて毎日決められた時間を働かずとも、派遣でサクッと結果を出して大金を稼ぐ、実にうらやましい、いえ、素晴らしい働き方と言えるでしょう。日本でも今後そうなってくれればいいのですが、おそらくここ数十年内には無理でしょう…

 

派遣で働くという選択肢はありか

 

人材派遣業界で働いていた経験からお伝えさせていただきますと、派遣という働き方はあまりおすすめしません。理由は明確で、「将来性」が無いからです。派遣で働き続けることも、正社員に切り替わるということも、すべて自分の努力でどうにかなるということではなく、他者の判断で大きく変わるからです。

 

どれだけ仕事ができても、派遣先の上司に嫌われてしまえば、次回更新はなく終了、つまりクビとなります。

 

私からの提案としては、割り切りましょう。そして将来的に明確な夢・ビジョンがある人達だけ、期限を設けて働いてください。派遣は普通のアルバイトよりも時給が高い傾向があります。

 

それはなぜかといいますと、いつ契約を切られるかわからないため、あらかじめ高い時給でその不安をカバーしているからです。派遣は働かせてもらうものではなく、利用するものです。あなたの人生の基盤を任せてはいけません。

 

 

まとめ

ここまでまとめると派遣というものにあまり良い表現をしてきませんでした。派遣スタッフを紹介する立場で働いていた私からすると派遣なんていうシステムはなくなればいいと思っているくらいです。

 

理由は明確で、働く上での構図があまりにも上流階級が下流階級を搾取するような、いわばマルクス主義の縮図を思わせる流れになっているからです。

 

無論派遣会社によっては雇用スタッフを思い、還元することを忘れない企業もあります。が、それはごく一部です。9割はどれだけ安く買いたたいて高く貸し出すかを考えています。ビジネスなので当然、そのこと自体が悪だとは思いませんが、とても醜く見えます。私はそれに嫌悪感をいただき業界を去りました。戻りたいとは思いません。

 

日本での派遣業界においては経営側に回ることさえできれば勝ち組です。一方、労働側に回れば奴隷です。この関係性が入れ替わることは未来永劫ないです。

 

派遣労働というものを否定はしません。しかし、肯定もしません。派遣契約というものをもっと世間に詳しくしってもらい、この日本における労働環境を変えるきっかけになればいいと思っています。