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銀行員の「営業」の仕事内容は本当にきついのか|投資信託などの金融商品に隠された手数料のカラクリ

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銀行窓口の後ろでずっと座っている人は皆一体何をしているのだろう?銀行員は高い給料をもらっていると聞いたことがあるけど、一体そのお金はどこから出ているのだろう?

 

 

今回は、そんな銀行窓口の後ろでずっと座っている「銀行員の営業」について、銀行の儲けのカラクリを交えてご紹介していきたいと思います。閉店も早い銀行は本当にホワイト企業なのか?それでは、さっそく見て行きましょう。 

 

銀行の業務とは

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※画像引用元はコチラ

 

実は、銀行業務はとても多岐に渡ります。大きく分けると『本部』といわれるお客さまと会うことのない本店で働く人達と、『支店』とよばれる私たちがよく行く銀行窓口のあるお店で働く人たちに分けられます。

 

今回は全国に多くある『支店』の中の人たちがどう働いて、どうやって利益をあげているのかをお話ししていきます。

 

銀行に行くとまず目に入るのが窓口の女性たち。振込手続きをしたり口座開設をしたり、忙しそうに働いていますが彼女たちの働きだけでは支店は利益をあげることができません。

 

単純に、毎日100人以上のお客さまが来店して、全員が振込手数料を800円払ったとしても1日8万円にしかなりません。口座開設や入出金だけでは手数料も発生しないし、平日はATM手数料もかからない。そんな支店に30人近くの従業員が働いているのですから、人件費だけでも銀行の支店はすぐに潰れてしまうことになります。

 

そう、銀行の支店を支えているのは窓口の人達だけではないのです。私たちが見ている支店はほんの一部であり、見えないところにも実はたくさんデスクがあります。実は、そこでは「営業」と呼ばれる人たちが働いています。

 

彼らは窓口の業務を行うことはありません。特定のお客様と電話で予約を取り、そのお客さまの自宅に訪問したり、支店の特別な個室でお金の話をする銀行員です。ここに支店を支える利益のからくりが隠されています。そして、ここに「銀行はノルマがきつい」と呼ばれる所以が隠されています。

 

銀行員の営業は何をしているか

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営業の仕事は、簡単に説明すると「お金持ちのお客さまに運用商品を売って、手数料収入を得る」ことです。

 

運用商品とは何か?

 

たとえば投資信託や生命保険を指します。大体運用商品の手数料率は3〜8%程度です。もし1,000万円の保険を契約したとすると、銀行には3%の30万円の収入が入ります。前述した振込手数料と比較すると桁違いです。

 

しかし、銀行員は高収入で知られている職業。大体メガバンクであれば勤続5年目で年収500万円ほど受け取ることができます。1,000万円の保険を月に1度契約したところで1人分のお給料にもなりません。そこで、営業で働く人たちは大変大きなノルマが課せられています。

 

その目標は月によって変わりますし、その支店がどういう土地柄にあり、規模が大きいのか小さいのかにもよって大きく異なります。大規模な支店では毎月1人あたり数億円の運用商品を売りましょうという目標を課せられている人も少なくありません。

 

と言ってもお金持ちの人は1つの地域に無限にいる訳ではありませんし、お金があるからといって毎月投資信託を買ったり保険を申し込む訳ではありません。

 

営業の人達はターゲットのお客さまを探すために、日々大きな入金がないかチェックし、その方に何か力になれることがないかお電話したり、訪問したりしてお客さまを発掘しているのです。ですから、この職種の人たちには15時まで、という時間の縛りはありません。窓口から見えない出入り口から絶えず出たり入ったりしています。

 

銀行の窓口と事務は意外と忙しい

また、窓口の後ろに座っている方の中には、事務を専門に行う人達もいます。窓口から回ってくる書類を処理しながら、営業の人たちが外からもらってくる書類も処理しています。日中掛かってくるお客さまからの電話も、営業と窓口の人たちは出ることができないのですべて後方事務の方たちが対応する必要があります。

 

したがって、15時でシャッターが閉まった後もその書類に不備がないかもう一度見返し、お金を数えて、書類を本部やそれぞれの専門部署に送付する手続きをしています。銀行は出社時間が朝8時頃と比較的早いので、窓口及び後方事務の人たちは17時過ぎに帰宅することができますが、そんな事をしているとあっという間に17時になります。

 

※ただし、1円でもお金が合わない時は誰1人帰ることができませんし、1枚でも書類がなければ全員でゴミ箱を見てシュレッダーの中も見返します。そんな時は19時近くまで残ることもあります。

 

銀行員の「営業」の仕事内容は本当にきついのか

では一方、営業の人達は具体的に何をしているのでしょうか。彼らにとっては店が閉まろうがどうなろうが時間は関係ありません。お客さまとのアポイントが16時であればその時間に出かけていきます。そして、次の日以降のアポイントがなければノルマを達成できないので、口座を持っている方に片っ端から電話をかけていきます。

 

例えば、3年目のA君の今月の目標が300万円だとします。

 

A君は3%の手数料の為に1億円契約する必要があります。もちろん1人のお客さまが1億円契約してくれれば良いのですが、そんなお客さまは滅多にいませんので、1ヶ月の間に1,000万円×10人のお客さまを探す必要があるのです。

 

そんなこんなで、営業の人たちは15時以降も1日の書類の処理や、会議、新商品の研修、アポイントメント取得のための電話などで忙しく過ごしていて、17時に帰れるわけもなく夜遅くまで働いています。

 

このように、お客さまが少ない時は暇そうに見える銀行窓口ですが、意外と忙しい日々を過ごしているのです。特に営業の人たちは暇=予約が入っていないので必死に走り回っています。

 

銀行経営の今後の課題は「手数料」

ひと昔前、まだ日本の金利が高かった時は銀行はお金を貸すことで利益を得ていました。お金を貸すときに金利を上乗せすることで、その金利収入が銀行の利益になっていたのです。しかし日本は今までにないほど金利が低い状況です。したがってお金を貸して利益を得るという業務が成立しなくなってきました。

 

そこで銀行の利益のメインになってきたのが運用商品の販売手数料による収入です。しかしそれも最近ネット証券など人件費を削って銀行より安い手数料の商品を提供できる媒体が競合として強くなってきました。

 

その為、新たな収入源として最近銀行ではサービス提供の代わりに手数料を得ることが増えてきました。例えば「遺言信託」です。遺言を作成し、預かる仕事を承る代わりにお客さまから手数料をいただきます。

 

時代とともに銀行の利益の仕組みは変わってきているので、また数年後、今はない新しいサービスが銀行の利益の仕組みとして主流になっているかもしれません。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。銀行員が15時以降みんなのんびり過ごしているわけではないことがわかっていただけたのではないでしょうか。

 

今回お話しした内容は銀行のごく一部の業務であり、本部では海外に向けたプロジェクトなど、より金額の大きい話が動いています。今回の記事で、まず身近な支店の中でどんな業務があるのか知っていただければ幸いです。