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携帯ショップ代理店の利益率と儲かるカラクリ|高齢者が搾取され続けるオプション強要の闇がひどい

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私は大手携帯ショップに勤めて10年近くなります。この業界にいたらいかに安く携帯が手に入るか、どうしたら携帯維持費を安くできるか、騙されやすい携帯の買い方などの知恵を得ることができました。

 

 

今回は、そんな携帯業界のいいところ、悪いところをお伝えできたらと思います。記事の中では携帯購入時の豆知識などにも触れておりますので、よろしければ参考にしてみて下さい。それでは、見て行きましょう。

 

携帯ショップの種類

携帯ショップとは、携帯電話やスマートフォンなどの通信端末を販売する店舗のことです。まず携帯ショップには、以下のような種類があります。

 

キャリアショップ:

一つの通信キャリアのブランドを冠した専売店です。例えば、ドコモショップやauショップなどがこれにあたります。キャリアショップでは、端末の販売だけでなく、契約やプランの変更、修理や操作説明などのアフターサービスも提供します。

 

量販店:

家電量販店の中にある携帯電話コーナーです。例えば、ヨドバシカメラやビックカメラなどがこれにあたります。量販店では、複数の通信キャリアの商品を扱っており、その場で比較検討することができます。また、店舗独自のキャンペーンやポイント還元などもあります。

 

併売店:

街中にある小規模な携帯電話ショップです。例えば、テルルやモバワンなどがこれにあたります。併売店では、複数の通信キャリアの商品を扱っており、自由度が高いです。また、自社でMVNOとして通信サービスを提供するなど、独自のサービスを提供するショップもあります。

 

 

携帯販売ショップと携帯販売員

まず、携帯販売員が携帯のことを何でも知っているプロフェッショナル。なんて思っている人もいるようですが、実際は違います。接客にはルールこそあれ、マニュアルはありません。知識も個々によって異なります。

 

つまり、質問に対し答えられないスタッフもいれば、それを倍にしてさらなる提案ができるスタッフもいます。これは勤続年数や経験で変わりますので十人十色というわけです。

 

携帯販売業界は、毎日実績に追われていますので、実は精神的にハードな業界でもあり、お客様=獲物と捉えるスタッフも多いです。また、携帯販売業は社会情勢的に厳しい立場もあり、プランやキャンペーンがコロコロ変わるので、それを理解しお客様にトークしないといけませんから、常に情報からは目が離せません。なかなか厳しい業界です。

 

ちなみに、中にはやる気のないただ案内だけするスタッフもいますが、そういう人たちを私たちは「自動販売機」と呼びます。頼まれたことしかできない、ただお金を入れられた自動販売機と同じ、という意味です。

 

携帯ショップ代理店の儲かるカラクリ

まず、携帯販売ショップはほぼ全ての店舗がフランチャイズです。私たちは代理店と呼びます。同じドコ◯ショップであろうと、中の社長さんは違います。そのため、接客スタイルも違えば、「頭金」を取る会社もあればとらない会社もあります。

 

携帯販売ショップの「頭金」は、代理店の純利益になります。例えば、頭金5500円の場合、その店舗1ヶ月で100台販売できれば100台×5500円=55万は必ず手に入る「利益」となります。大手キャリアは頭金を容認していますので、代理店によって金額に差があります。

 

また、度々ニュースになる「オプション」も代理店の利益となります。勿論親会社の指示があってのことですが、オプション1つにつき約2〜3割が代理店に継続手数料として入ります。大体オプション1つに付き100円程ですが、継続的に20円~30円程が手数料で代理店に入るのです。

 

代理店は、携帯本体で収入を得ている。と思われがちですが、実は携帯本体は親会社からの受託物(借物)であり、正式な本体価格のみの販売では大きな利益を得られません。代理店の利益は、上記のような本体以外の付属物から得ているのです。

 

未だに続くオプション強要の闇

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次に、業界の裏話をご紹介させていただきます。先程オプションの話をしましたが、オプションの強要は電気通信事業法により違反とされています。が、親会社は変わらず代理店にオプションをつけることを義務付けています。

 

その為、以前ニュースにも取り上げられた、「抱き合わせ販売」や「オプションベタ付け」などをシレっと行うような事が、以前程ではないですが未だ行われています。実は、オプションを9割以上つけないと強く注意され、場合によっては店舗のランクを下げられ、収入が減ってしまいます。

 

携帯ショップの店舗ランクとは

店舗は親会社が決めるランク表で毎月の支払い金額が決まっており、最悪数百万単位変わります。店舗ランクはS〜Dランクがあり、上位でないとお金をもらえません。最下位のDランクは支援金とよばれるお金を親会社から受け取ることができず、私たちは「赤字」といいます。

 

さらに、店舗ランクが低いままを推移してしまうと、早ければ2ヶ月で他代理店に移管、つまり買収ないしは閉店させられます。※ただし、これは親会社によりルールが異なるので期間にはバラツキがあります。

 

このようなシステムになっている為、代理店は各店潰し合いを行っています。潰せば自分のグループ店になり、それが近くの店舗同士であれば独占商圏が作れるのです。

 

携帯代金とオプションの差し替えトーク

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店舗ランクを上げるには、ただオプション加入や頭金を追えばいいわけではありません。新規と呼ばれる端末販売は絶対的に必要です。そのため、店舗によっては「オプションの差し替えトーク」という恐ろしい手法を使って案内を行っていきます。その実例を紹介します。

 

例えば、機種変更に来店した際、スタッフから機種変更と同時にタブレットを提案される事があります。料金が変わらず、タブレット持った方が携帯代金が安くなります。なんてトークを聞いたことはないですか?

 

実はそれ、単に機種変更単品に、たっぷりとオプションをつけて元を取っている場合があります。つまり、機種変更のオプション金額とタブレットの金額を同額にして案内しているだけなのです。

 

携帯プランが複雑な上、お客様も内容を100%理解できずこの手口でタブレットを購入する方が大変多いです。※場合によってはタブレットではなく新規スマホをつけられる、なんて場合もあるので要注意です。

 

携帯ショップに「無料」は存在しない

また、フィルムやケース、持ち運びバッテリーなどセレクションと呼ばれる商品を販売するのも店舗利益になります。タブレットやセレクションが勝手に付いてきた、無料だと思っていた。なんて話もよく聞きますが、無料という物はありません。必ずどこかで元を取る仕組みになっています。

 

ただし、キャンペーンで本当に安くなる場合もありますから、しっかり料金の内訳を確認した方がいいでしょう。※セレクション添付により代理店は親会社から「ラダー」と言われる設定金額を提示されており、それだけでも月数万円の売り上げが変わってきます。

 

携帯購入時やオプション強要の対処方法と豆知識

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では、これらのトラップはどのように対処したらいいのか。まず、時間があれば他の店舗と同じ内容で機種変更や新規契約の見積もりをもらってください。必ずネットで運営代理店を見て、系列が違う代理店を見つけて下さい。※3店舗ほど回ればその地区の最安値などがわかるかと思います。

 

オプションを強要してきた場合は、電気通信事業法で禁止されている話をしてみてください。スタッフはそれ以上強要できなくなります。なぜなら、その行為を親会社にバレた瞬間「コンプライアンス違反」として代理店に処罰が入るからです。場合によっては戻入といって、親会社に違約金数十万、数百万の返金が必要になります。

 

可能であれば自身が信用できるスタッフを見つけて、その人に契約をお願いしてみてください。最初に話したようにスタッフによって接客スタイルが違います。そのため、自身が納得できる案内をしてくれるスタッフを指名して購入されるのがいいでしょう。勿論、指名料なんてものはありません。

 

※違約金制度の改正で、短期で解約しても問題はありません。ただし、それを繰り返した場合信用情報機関に名前が残り、携帯の審査が通らなくなる場合があります。

 

 

まとめ

以上、長期で働いてわかったことは、まだまだ携帯業界はなかなかブラックであるということです。以前に比べれば改善されてきましたが、まだまだ見えないロジックをたくさん抱えている業界です。

 

携帯業界は常に数字との戦いで、代理店により販売手法が違います。それ以上にスタッフの知識のクオリティーも個々のモチベーションや立場で変わります。そのため、まずは同じキャリアであっても数店舗比較し、一番納得できる場所、信用できるスタッフで購入した方がいいでしょう。でないと、代理店の儲けのループに一役買うことになってしまいます…賢い買い物ができるようになるのを、お祈り申し上げます。最後に、携帯を最も安く買う方法ですが、やはり正式なキャンペーンを使いセットで買うのが一番です。